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東京大学微細構造解析プラットフォームを利用した工学系研究科の研究グループが 文部科学省ナノテクノロジープラットフォーム事業の令和2年度「秀でた利用成果」優秀賞を受賞されました

 

2020年12月9日、東京大学微細構造解析プラットフォームを利用した工学系研究科の研究グループが、文部科学省ナノテクノロジープラットフォーム事業の令和2年度(2020年度)「秀でた利用成果」の優秀賞を受賞されました。

※左から、機械工学科 項栄准教授,機械工学科 丸山茂夫教授
 文部科学省ナノテクノロジープラットフォーム 秀でた利用成果選定委員会 佐藤勝昭代表
 国立研究開発法人物質・材料研究機構 ナノテクノロジープラットフォーム  小出康夫センター長
 東京大学・日本電子産学連携室 熊本明仁卓越研究員


<受賞した賞の名称と簡単な説明>
ナノテクノロジープラットフォーム事業は、文部科学省の委託により、最先端のナノテクノロジー施設・装置を有する25研究法人が、全国の産学官の研究者へ利用機会を提供、知識を共有することに拠り、イノベーションにつながる研究成果の創出を目指しています。
文部科学省ナノテクノロジープラットフォームは、昨年度までの約24,000件の利用課題の中からイノベーションに繋がることが期待できるなど特に秀逸な成果を選定し、東京大学「微細構造解析プラットフォーム」を利用して実施された一次元ヘテロナノチューブの合成と構造解析の利用課題が、令和2年度「秀でた利用成果」の優秀賞を受賞しました。

<受賞された研究・活動について>
受賞した利用成果は、工学系研究科の機械工学専攻丸山研究室および総合研究機構東京大学・日本電子産学連携室の共同研究グループが、東京大学微細構造解析プラットフォームの支援を受け、異なる物質からなるナノチューブを同心円状に複合化した新しい物質群「一次元ヘテロナノチューブ」の合成に成功し、原子スケールでの構造解析によってそれらの存在を実証したものです。
東京大学微細構造解析プラットフォームは、単層カーボンナノチューブを専門とする機械工学科丸山研究室の研究グループに対して、原子分解能構造解析が可能な(走査)透過型電子顕微鏡を提供し、技術スタッフによる装置調整等の技術支援を実施しました。これにより、同研究グループの合成と構造解析の両輪を円滑に機能させ、高品質な一次元ヘテロナノチューブの創成を実現することに貢献しました。また、今年で工学系内設立15周年を迎えた東京大学・日本電子産学連携室の協力・連携により、高度な解析技術を有する共同研究チームを形成することで、原子スケールで元素を可視化する分析技術等を駆使し、精緻な構造解析を展開した高度な研究成果を創出することができました。
文部科学省ナノテクノロジープラットフォームは、この成果をユーザー機関と実施機関との連携に拠るナノテクノロジーを駆使したイノベーションにつながるものと評価し、令和2年度の秀でた利用成果の優秀賞を授与しました。授賞式は東京ビッグサイトで開催されたnano tech2021展示会(会期:2020年12月9日―12日)において12月9日(水)14時より開催され、受賞講演が行われ、成果は会期中、展示会場で展示・公開されました。


<今後の抱負・感想>
今回の受賞を励みに、世界トップレベルの微細構造解析技術の維持と向上に努め、利用者の研究成果の質の向上が期待できる共用施設の構築に進めて参ります。

〈WEB〉
令和2年度「秀でた利用成果」の発表について:https://www.nanonet.go.jp/ntj/topics_gov/?mode=article&article_no=5391

関連した研究発表:https://www.t.u-tokyo.ac.jp/foe/press/setnws_201905271437284354663583.html

        :https://www.t.u-tokyo.ac.jp/soe/press/setnws_202002201648579259656744.html

東京大学・日本電子産学連携室設立15周年:https://www.t.u-tokyo.ac.jp/soe/topics/setnws_202012071607110393465107.html