プレスリリース

個人の特性やインパクト投資への関心を考慮した銘柄推薦システムの開発に向けた共同研究の成果について

 

ポイント
・社会連携講座の活動として、大和証券グループと和泉研究室は、個人の特性とインパクト投資に関心を持つ人々に対する銘柄推薦システムに関する共同研究を実施
・開発されたアルゴリズムは、投資家のタイプを予測し興味のある銘柄を推測するもので、61.1%の精度で予測を実現
・今後も金融・経済の専門領域における革新的なサービスの基礎となる技術の開発に取り組む

株式会社大和証券グループ本社(以下、大和証券グループ本社)とそのグループ会社である大和コネクト証券株式会社(以下、大和コネクト証券)は、国立大学法人東京大学大学院工学系研究科 和泉潔教授の研究室(以下、和泉研究室)との間で、2022年7月より、個人の特性やインパクト投資への関心を考慮した銘柄推薦システムの開発に向けた共同研究(以下、本共同研究)を実施しており、一定の成果が得られました。

1.背景
大和証券グループ本社と和泉研究室とは、2018年4月より社会連携講座の活動として金融領域における技術・サービス開発に向けた共同研究を行っており、本共同研究は、その一環の取組みです。
本共同研究は、決算短信等の金融テキストデータや、大和コネクト証券で実際に口座をお持ちのお客さまの投資行動及びアンケート結果を基に、和泉研究室において発展させてきた独自の金融データに関する機械学習と自然言語処理技術、そして投資行動分析技術を証券サービスへと応用させることを目指すものです。

2.成果
投資家の投資履歴と心理アンケートから投資家タイプを類推し、新たに興味を持ちそうな銘柄を推測するアルゴリズムを開発しました。予め同意をいただいた大和コネクト証券の1,000名弱のお客さまのデータを用いて、本手法の開発、評価実験を行いました。
各お客さまについて、新たに取引しそうな銘柄群を予測し、その後予測した銘柄の取引が実際にあったか否かで評価したところ、61.1%のケースで予測を実現しました。従来手法による結果55.1%から、6ポイントの推薦精度の向上が見られました。
この度、情報検索・推薦システム分野でトップクラスの情報検索研究者が参加する、もっとも権威ある国際会議のひとつである「SIGIR」において、本共同研究の論文が採択されました。機械学習と行動経済学の知見を統合した新たな手法に関する技術的側面と、実際のサービスを含む応用可能性の両方が高く評価されました。本年7月23日より台北にて開催される「SIGIR 2023」にて、和泉研究室の博士課程学生である高柳 剛弘さんが成果発表を行う予定です。

3.今後について
大和証券グループでは、大和証券株式会社における全社員のChatGPTの利用や、「大和証券グループ AIガバナンス指針」の策定など、新技術にいち早く挑戦し、適切に活用していくことで、社会・経済の発展への貢献に努めています。
また、技術の導入だけでなく、和泉研究室との共同研究では、金融・経済におけるアカデミアの知見と、金融サービス事業者としての知見を融合させた、革新的な金融サービスの基礎となる技術の開発にも取り組んでいます。
大和証券グループと東京大学大学院工学系研究科は、今後も社会価値提供に資する新たな取組みを進めてまいります。



以 上


参考
2022年7月28日付けの大和証券グループ本社ニュースリリース「個人の特性やインパクト投資への関心を考慮した銘柄推薦システムの開発に向けた共同研究開始について」
https://ssl4.eir-parts.net/doc/8601/ir_material3/188504/00.pdf

 

 

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