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大澤幸生 教授が「リサーチアワード」を受賞されました


2021年12月13日、システム創成学専攻 大澤幸生 教授が、
KES Internationalより「リサーチアワード」を受賞されました。

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リサーチアワード
KES (Knowledge-Based and Intelligent Information & Engineering Systems) Internationalは本部を英国セルビーにおき、知識集約型のテーマ、知識の移転に携わるすべての人々に、プロフェッショナルなコミュニティ、ネットワーク、研究、出版の機会を提供するための学会組織で、約5000名の研究者、エンジニア、実務者からなるコミュニティで20年以上にわたり、知能システム分野で会議開催等を行っています。この賞は、KES Internationalから大澤氏の長期的な学術的貢献に対して授与された賞です。

受賞された研究・活動について

KES国際会議で2004年に自ら提唱したチャンス発見学について基調講演を行うましたが、2021年にはこれを発展させて創造的データ市場を工学の対象としイノベーションの技術を進展させ17年ぶりに基調講演を行い、「ビジョン、知性、発明、そしてプロフェッショナル・コミュニティとKESインターナショナルへの優れた貢献」に対してKES International創設者のLakhmi Jain氏から、International Symposium on Socionetwork Strategies and Market of Data(和歌山県白浜においてハイブリッド開催)の場において大澤氏の業績の概要を説明をした上で授与されました。ISSSMDでのOutstanding Achievement Awardと共に受賞しました。

今後の抱負・感想
データからのチャンス発見という研究テーマを私が立ち上げた19992004年ごろはディープラーニングの元祖となったネオコグニトロンから20年経ち、成熟した機械学習技術のみならず人にとって解釈可能性の高い解析技術や可視化技術が日々生み出されるAIカンブリア紀でした。これらの技術を適宜用いて人が利用できる知識の獲得に用いるデータマイニングという方法論を、多くのビジネスマンが知り高額なデータマイニングを買い求めていました。データマイニングにおいては、機械に任せきりにするのではなく、人間(「人」ではなく「人の間」で起きる相互作用をさす)がデータを生み出し、自身の知的活動の中に取り込んでゆきます。人の目、耳、手、口、足が重要であることは、機械学習の過信に対するユーザたちの反省から、当時から周知のことでした。チャンス発見学は、人がデータから自分の意思決定に役立つ情報を得る上で「人手」がどのような役割を果たし、またいかなる方法で人がコミュニケーションを行うとチャンスの発見に達するかということを掘り下げて研究したものです。この成果は現在、創造的データ市場設計学などに発展し、多くの企業、自治体、医療者などにおける事業を支えています。「ブーム」に圧倒されて評価されにくいかと思っていましたが、こうして注目を続けてくださる方々がおられるのは嬉しく、社会にとって利することと思います。