山田 淳夫 教授が蓄電材料・蓄電デバイス分野の国際専門誌「Energy Storage Materials」が授与する2026年EnSM Awardを受賞されました

2026/07/01

2026年6月9日、化学システム工学専攻の山田 淳夫 教授が、蓄電材料・蓄電デバイス分野の国際専門誌「Energy Storage Materials」が授与する2026年EnSM Awardを受賞されました。

 

2026年EnSM Award
EnSM Awardは、蓄電材料・デバイス分野において顕著な革新性を示し、国際的に重要な貢献を挙げた研究者を対象として、毎年1名を選出する賞です。過去にはKhalil Amine氏、吉野 彰氏、Y. Shirley Meng氏、Gerbrand Ceder氏ら、蓄電池研究を牽引してきた研究者が受賞しており、今回の受賞は、山田教授の長年にわたる基礎研究と材料開発の成果が国際的に高く評価されたものです。山田教授は、2026年9月にドイツ・ドレスデンで開催されるInternational Energy Storage Materials Conferenceにおいて、受賞者として「Multifaceted approach toward sustainable batteries」と題する講演を行う予定です。

 

受賞された研究内容・活動について
山田教授は、リチウムイオン電池をはじめ、ナトリウムイオン電池や次世代蓄電デバイスに向けた材料・電解液・界面の研究を推進してきました。材料合成、構造・物性評価、電気化学特性評価、反応機構解析を一体的に進めるとともに、第一原理計算や分子動力学計算などの計算科学、さらにはデータ科学を適切に実験研究と融合させ、蓄電機能の発現機構を原子・分子レベルから解き明かす研究を展開しています。特に、LFPに代表されるオリビン型正極材料、硫酸鉄系ナトリウム系新規正極材料、高濃度電解液、電気化学基盤体系の再構築などの研究を通じて、資源制約、安全性、高エネルギー密度化といった蓄電池技術の課題解決に新たな指針を示すと共に、電気自動車や定置用途における世界的な大規模実用化を支える学術基盤の形成に貢献してきました。こうした研究は、材料を単体で捉えるだけでなく、電極、電解液、界面、デバイスを一つのシステムとして理解し、設計する点に大きな特色があります。 


持続可能なエネルギー社会の実現に向け、蓄電池は再生可能エネルギーの導入拡大、電動モビリティ、分散型エネルギーシステムを支える基盤技術として重要性を増しています。今回の受賞は、工学系研究科における材料科学、電気化学、計算科学、データ科学を横断する研究の国際的な存在感を示すものです。山田教授は今後も、基礎学理の深化と社会実装を見据えた研究を通じて、次世代蓄電技術の発展と若手研究者の育成に貢献していきます。

 

受賞された研究・活動について
このたびの受賞を大変光栄に思います。蓄電池研究は、材料、電解液、界面、デバイスを俯瞰し、基礎学理と社会実装を結びつける総合的な挑戦です。本賞は、研究室の学生・スタッフ、国内外の共同研究者、支えてくださった多くの皆さまとの歩みへの評価と受け止めています。深く感謝するとともに、持続可能なエネルギー社会に資する蓄電科学の発展に引き続き取り組んでまいります。

 

Energy Storage Materials: Winner of the ENSM Award