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- 2021
若手研究者紹介:杉原加織 講師
若手研究者紹介:051
生産技術研究所 化学システム工学専攻 杉原研究室 杉原加織 講師
【経歴】
2020年4月– 現在:東京大学大学院工学系研究科化学システム工学専攻 講師
2014年4月– 2020年3月:ジュネーブ大学理学部物理化学学科 テニュアトラック助教
2012年4月– 2014年3月:マックス・プランク研究所インテリジェント・システム科ポスドク研究員
2012年3月:スイス連邦工科大学チューリッヒ校 博士課程修了
2008年3月:東京大学大学院工学系研究科物理工学専攻 修士課程修了
2006年3月:慶應義塾大学理工学部物理学科 卒業
【研究について】
生物、創薬、医療はいくつもの技術的なブレイクスルーによって進化してきました。そのようなバイオ・テクノロジーは多くの場合物理や化学を元に開発されます。私たちのミッションは物理と物理化学を用いて細胞膜をイメージングし解析する手法を開発し基礎研究や製薬研究を前進させることです。
最近のトピックス
・チップベースの高効率電気生理学手法の改良と開発:細胞膜にチャネルを作りイオンの流れをコントロールしているタンパク質やペプチドはその性質を電気化学的手法により調べることができます。私たちは既存の装置を改良し得られる情報の質、量、効率を上げる研究をしています。
・メカノクロミックポリマーを用いたバイオセンサ開発:押すと発光するメカノクロミックポリマーを用いることで分子レベルでの生物学的な力を検知するセンサを開発しています。
・「ダブル・コオペラティブ効果」の原理解明:抗菌ペプチドはバクテリアに感染した時に私たちの体が作り出す天然の抗生物質です。最近私たちの研究室では、2種類のペプチドの混合が敵であるバクテリアに遭遇したときは攻撃機能を発揮し、自身の人間細胞に遭遇した時は毒性の中和を起こすという「ダブル・コオペラティブ効果」を発見しました。この現象のメカニズムを調べ、創薬への応用を目指しています。
【今後の抱負】
2020年にはコロナ研究として、医療用マスクの原料であるポリプロピレンの静電気をコントロールすることでフィルター能力を増強する研究も行なってきました。このように常に社会のニーズにアンテナをのばし、私たちの持っているツールをさまざまな分野で活用したいと思っています。
【WEB】
https://sugiharalab.iis.u-tokyo.ac.jp/