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化学生命工学専攻(D2) 穐近 慎一郎さんが第20回武田科学振興財団生命科学シンポジウム RNAネオバイオロジーにおいて優秀ポスター賞を受賞されました

 

2019年2月2日、化学生命工学専攻(D2) 穐近 慎一郎さんが、第20回武田科学振興財団生命科学シンポジウム RNAネオバイオロジーにおいて優秀ポスター賞を受賞されました。 この賞は、ポスター発表99件の中で、高い評価を受けた研究発表5件に対して贈られる賞です。

 

 

<受賞された研究・活動について> 
【発表題目】RNAポリメラーゼIIに結合したメチル化酵素がmRNAの先頭にm6A修飾を導入する

ゲノムDNAから転写されたmRNAは、様々な制御を受けることで成熟し、タンパク質へ翻訳される。近年の大規模シーケンス技術の発展に伴い、真核生物のmRNAにN6-メチルアデノシン(m6A)が大量に見出され、m6A修飾がRNAの代謝や正常な機能に重要であることが明らかになってきた。一般にm6AはmRNAの内部に存在しているが、脊椎動物ではmRNAのキャップ構造に続く1塩基目にもN6,2'-O-ジメチルアデノシン(m6Am)として存在する。このm6Am修飾の生合成や機能はほとんどわかっていなかった。本研究ではm6Am修飾のN6-メチル基を導入する酵素を同定し、CAPAMと命名した。CAPAMはmRNAの転写と共役してm6Am修飾を形成することが示唆され、m6Am修飾の生合成が解明された。またm6Am修飾の担う機能を探索し、mRNAの翻訳効率を促進する機能を持つことを示した。

 

 

<今後の抱負・感想> 
この度は、このような賞をいただき大変光栄に思います。常日頃から研究のご指導を賜っている鈴木勉教授をはじめ、共著者の皆様ならびに研究室の皆様に深く感謝申し上げます。これを励みにより一層研究に邁進していきたいと思います。