PsiQuantum(本社:米国カルフォルニア州、CEO:Victor Peng)、東京大学大学院工学系研究科(所在地:東京都文京区、研究科長:津本 浩平、以下「東京大学」)、三菱ケミカル株式会社(本社:東京都千代田区、社長:筑本 学、以下「三菱ケミカル」)は、日本における量子分野の人材育成を強化するため、新たなパートナーシップを締結(以下、「本取り組み」)したことを発表しましたのでお知らせします。本取り組みは、日本政府の新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)による「ポスト5G情報通信システム」プログラム(2025~2027年度)の支援を受けて実施されます。
フォールトトレラント量子コンピューティング(FTQC)が将来の産業応用における重要技術として台頭する中、高度なスキルを持つ量子人材の需要は世界的に急速に拡大しています。本取り組みは、日本の量子エコシステムの強化と、実用規模の量子コンピューターの潜在能力を最大限に活かすための強力な人材基盤の重要性を示すものです。
本取り組みは、PsiQuantum、東京大学、三菱ケミカルの3者が、アカデミアの教育、産業界のアプリケーション開発、先端量子コンピューティング技術を組み合わせ、共同で実施します。東京大学が教育カリキュラムを主導し、三菱ケミカルは化学・材料科学分野の産業ユースケースを提供し、PsiQuantumはFTQCおよび関連ソフトウェアツールの専門知識を提供します。
本取り組みでは、民間企業および学術機関の参加者を対象に、6か月間のトレーニングプログラムがすでに開始されており、日本国内で事業を展開する20社以上から80名を超える参加者がプログラムに参加しています。参加者は、FTQCの基礎、さまざまな産業分野での潜在的ユースケースの探索、さらには PsiQuantum のツール(Constructなど)を用いたアルゴリズムの設計・解析・最適化を学びます。
今後2年間の後続フェーズでは、化学・材料科学分野における共同研究開発の機会に重点を置き、フォールトトレラント量子コンピューターでの実装に向けた進展を共通の目標として進めていきます。
「実用規模の量子コンピューターは、構築され運用される段階になって初めて、その真価を発揮します。」とPsiQuantumの暫定CEOであるVictor Peng氏は述べています。
「三菱ケミカルおよび東京大学と協力し、世界的に評価される日本の量子人材をさらに強化・育成できることを誇りに思います。また、日本政府からの支援にも深く感謝します。」
「量子コンピューティングの発展には、量子技術と現実世界の課題を結びつけることができる人材の育成が不可欠です」と、東京大学の佐藤健 准教授は述べています。「このパートナーシップを通じて、学生や専門家の方々に、耐障害性量子コンピューティングの理論的基礎と実践的な応用に関する実践的な経験を提供することを目指しています。」
「量子コンピューティングは、化学および材料科学におけるイノベーションを大幅に加速する可能性があります」と、三菱ケミカルの統括研究員である高玘 氏は述べています。「東京大学および PsiQuantum と協力することで、次世代の量子人材を育成するとともに、FTQCの将来の産業応用を探求していきます。」
本取り組みは、日本で初めて、FTQCに特化した体系的なトレーニングプログラムのひとつであり、日本における持続可能な量子イノベーション・エコシステムの長期的な発展への貢献が期待されています。
・PsiQuantumについて
PsiQuantumは2016年に設立され、米国カリフォルニア州パロアルトに本社を置く量子コンピューティング企業です。同社は、世界初となる実用規模の量子コンピューターを開発・実装することをミッションとしています。
PsiQuantumは、光量子(フォトニクス)技術を基盤とした独自のアプローチにより、高度に成熟した半導体の量産製造技術や既存の極低温インフラを活用するとともに、柔軟なアーキテクチャ設計を可能にすることで、量子コンピューターシステムの迅速かつ大規模なスケールアップを実現しています。
・東京大学について
1877年に創立された我が国最初の国立大学である東京大学は、15の学部・研究科と11の附置研究所を有する教育研究機関です。藤井 輝夫総長により2021年9月に公表された基本方針「UTokyo Compass~多様性の海へ:対話が創造する未来(Into a Sea of Diversity: Creating the Future through Dialogue)~」のもと、さまざまなステークホルダーと協調して社会課題を解決していくことをめざしています。
・三菱ケミカルについて
三菱ケミカルは1933年の創業以来、基礎化学品から機能商品に至るまで、さまざまな素材を提供する総合化学メーカーです。モビリティ、半導体・通信、食、メディカル、インフラなど幅広い分野でグローバルに事業を展開。「革新的なソリューションで、人、社会、そして地球の心地よさが続いていくKAITEKIの実現をリードする」というPurposeのもと、社会課題に最適なソリューションを提供し続け、素材の力でお客様を感動させる「グリーン・スペシャリティ企業」をめざしています。
プレスリリース本文:PDFファイル
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