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【経歴】
2005年 岐阜工業高等専門学校 機械工学科 卒業
2007年 京都大学工学部物理工学科 卒業
2008年 京都大学大学院工学研究科航空宇宙工学専攻 修士課程修了(期間短縮)
2010年 京都大学大学院工学研究科航空宇宙工学専攻 博士後期課程 修了(期間短縮)
2010年 名古屋大学大学院工学研究科機械理工学専攻 助教
2012年 京都大学大学院工学研究科機械理工学専攻 助教
2020年 東京大学大学院工学系研究科附属総合研究機構戦略研究部門 准教授
【研究について】
当研究室では、数学と情報科学の力を駆使して、力学を中心とする数理物理学に関する学理構築から、実際の機械製品の開発・設計までを結びつける研究を行っています。現在、研究の3本柱として、
【トポロジー最適化の枠組を超え、機械システムの創成へ】
構造物の最適な形状を力学的根拠に基づいてコンピュータにより自動的に求める方法論があり、構造最適化と呼ばれています。構造最適化法は、設計自由度の観点から「寸法最適化」、「形状最適化」、「トポロジー最適化」に大別できます。この中で、トポロジー最適化は最も設計自由度の高い方法であるため、非常に高い性能を持つ設計案や、設計者が思いつかないような設計案を創成することができます。これまでに、独自の方法論として、「レベルセット法に基づくトポロジー最適化」を提案し、従来の方法論の問題点の本質的な解決に成功しました。方法論の展開実績として、「アクチュエータの設計」、「航空機翼の設計」、「共振周波数最大化」、「規定された複数の共振周波数を持つ構造物の設計」、「負のポアソン比を持つ周期構造材料設計」、「熱交換器の設計」、「誘起電荷電気浸透流を利用した流路の設計」、「太陽光発電フィルタの周波数選択構造」、「電磁クローキング構造の設計」等を行ってきました。しかしながら、いずれも単一のデバイスや材料構造の設計等の設計における下流の設計フェーズへの展開に留まっており、機械システム全体を考慮した設計に至っていません。今後は、各設計フェーズを考慮したマルチフェース設計論をはじめとして、機械システム全体の創成が可能な基礎理論の構築に取り組んでいます。また、力学的根拠に立脚して最適な形状が得られたとしても、その力学的意味を理解することが困難である場合が多く、設計指針を見いだすことができない問題もあります。単に、最適な設計解を与えるのではなく、設計者に最適な設計指針を与えるための基礎理論の構築及び展開を行っていきます。
【力学と設計生産の架け橋となる学理の構築】
トポロジー最適化では、物理的根拠に立脚した設計解を創成できるものの、複雑な部分構造を持つ設計解が得られる場合が多い。そのため、製造工程や組立工程等を考慮した場合、トポロジー最適化により得られる設計解は、工学的に適切な設計解ではなく、工学的観点からは最適設計解とは言えなません。本研究室では、工学的観点からも最適と言える設計解を創成する方法論を構築するために、「設計生産に関する幾何学数理モデルの構築と設計生産システム最適化」及び「多様な設計フェーズ及び生産要件に対する数理モデルの開発」を行っています。現在までに、「型による製造を前提とした幾何学的制約付トポロジー最適化法」、「積層造形による製造を前提としたオーバーハング形状制約付トポロジー最適化法」を提案してきました。今後は、これらをさらに発展させ、幾何学的特徴と力学的特徴を定量的に関係づける学理の構築を目指しています。
【常識を超えるデバイス機能と新奇な材料特性の探求】
近年、メタマテリアルと呼ばれる自然界に存在する均質材が示さないような特異な特性を示す人工材料が注目されています。本研究室では音波や弾性波を中心とした波動伝搬問題や、熱伝導問題、流体問題等の幅広い物理現象を対象とし、これまでにない機能やメカニズムを示すメタマテリアルの創成を行っています。このために、メタマテリアルの性能を効率的に評価可能な均質化法を中心としたマルチスケール解析法を導入し、トポロジー最適化を行っています。

【今後の抱負】
思いもよらないアプローチや斬新なアイディアにより、社会に夢や希望をもたらす研究成果を発信していきたいと思います。
【WEB】
研究室:https://www.mid.t.u-tokyo.ac.jp/
※所属・職位は取材当時のものです。


