プレスリリース

Ocean Network Express社と社会連携講座「コンテナ・マネジメント・サイエンス」を共同開設

 

東京大学大学院工学系研究科(以下、東京大学)はOcean Network Express社と、2024 41日に社会連携講座「コンテナ・マネジメント・サイエンス」を開設しました。本講座では、現在のコンテナ海運業界が直面する複雑化・多様化したさまざまな分野横断的な課題に対し、文理を問わず知を結集し、持続可能で未来志向のコンテナ船事業の構築に向け、産学一体となった研究を長期的視野で実施します。

 

海上輸送は重量ベースで世界の貿易の約8割を担っており、日本では輸出入貨物の99%以上が船によって運ばれています。特にコンテナ船事業は、人々の日々の生活や企業の経済活動と密接に関わるインフラとして、社会を支える役割を果たしています。

一方、現在のコンテナ船事業は解決すべきさまざまな課題を抱えています。パンデミック時に見られた国際サプライチェーンの混乱や近年の地政学的情勢は、コンテナ船輸送の役割の大きさとともに、その抱えるリスクをも浮かび上がらせました。人々の生活や企業の生産活動を安定して支える強靭なサプライチェーンをいかに構築するか、そのために船やコンテナの運用をどのように高度化・効率化するかといった課題はもちろん、それらの課題に取り組みながらも同時に環境負荷を低減し続けていく取り組み、さらにはESG経営への対応や海運の未来を担う次世代の人材育成も喫緊の課題です。

 

これら未知の課題に解決策を見出し、持続可能で強靭なコンテナ海運事業を構築するには、企業と大学がこれまで以上に連携するとともに、学問領域を超えて知を結集する取り組みが必要と考えられることから、本講座の設置を決定いたしました。

本講座を通じてコンテナ海運における経済性(運航・経営効率化)、強靭性(リスク対応、BCP)や脱炭素化など複雑化する各種課題に対するイノベーションの創出を目指し、持続可能なコンテナ輸送の実現に貢献いたします。また、コンテナ海運事業に関連した社会的要請の高い技術を理解し、その技術を評価・統合するマネジメント能力を備えた未来志向型グローバル人材の育成と輩出を目指します。

 

本講座の活動を通じて、各要素課題に対し学術的研究を実施し、解決策を提示するだけでなく、連携機関との協力のもと、社会実装によりイノベーションを社会に還元します。それにより社会的要請の高い技術を理解し、その技術を評価・統合するマネジメント能力を備えた未来指向型グローバル人材の輩出に努めてまいります。

 

■社会連携講座の概要

講座名:(和文)コンテナ・マネジメント・サイエンス

       (英文)Container Management Science(COMS)

設置期間:202441日~2027331日(3年間)

設置場所:東京大学大学院工学系研究科

担当教員:青山 和浩(東京大学大学院工学系研究科 特任教授(兼務))

     川崎 智也(東京大学大学院工学系研究科 特任准教授(兼務)) 

公式Webサイト:https://coms.t.u-tokyo.ac.jp/

 

 

 

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