研究概要

水は、質と量の両面で価値を持ち、健康な生活と健全な社会活動に必要不可欠な存在です。その価値を持続可能な形で最大化すべく、水環境の実態調査、水処理技術の開発、水供給の在り方などについて研究しています。例えば、紫外線を利用した水処理について基礎実験から実証まで幅広いスケールで研究し、成果の一部は技術実装に結実して国際的な評価を得ています。また、途上国や遠隔地が直面する水問題にも関心が強く、フィールドワークによる水質調査や水利用実態調査などを継続的に実施しています。さらに、人口減少・高齢化・インフラ老朽化など喫緊の社会課題に対する一つの工学的解として、小規模分散型の水システムに注目しています。

研究室HP

https://urbanwater.t.u-tokyo.ac.jp/urbanwater/

略歴

1998年3月　東京大学工学部 都市工学専攻 卒業
2000年3月　東京大学大学院工学系研究科 都市工学専攻 修士課程 修了
2003年3月　東京大学大学院工学系研究科 都市工学専攻 博士課程 修了 博士（工学）
2003年4月　東京大学大学院工学系研究科 都市工学専攻 助手
2005年4月～9月　デューク大学（米国）客員講師
2008年10月　東京大学大学院工学系研究科 都市工学専攻 講師
2015年4月　東京大学先端科学技術研究センター 准教授
2019年4月　東京大学大学院工学系研究科 都市工学専攻 准教授
2023年12月　東京大学大学院工学系研究科 都市工学専攻 教授（現職）
2025年4月　東京大学大学院工学系研究科 研究科長特別補佐（現職）

主な受賞歴

• ベストティーチング賞（2014年）：東京大学工学部
• 研究優秀賞（2016年）、特別表彰（2020年）：クリタ水・環境科学振興財団
• Innovative UV Application Award（2017年）, UV Light Award（2019年）：国際紫外線協会
• 年会優秀発表賞（2000年）, 論文奨励賞（2004年）, 技術賞（2023年）：日本水環境学会
• 2022年度工学系研究科長表彰（研究部門）（2023年）：東京大学大学院工学系研究科

主な論文

• Jack Jia Xin Song, Kumiko Oguma, UV-LED-incorporated showerhead for point-of-use disinfection of drinking water, Journal of Environmental Chemical Engineering, 12(6), 114573, 2024.
• Kim Anh Phan, Jenyuk Lohwacharin, Kumiko Oguma, Virender K. Sharma, Bromate in drinking water: Occurrence and removal by ultraviolet/sulfite advanced reduction processes, Chemical Engineering Journal, 490, 151759, 2024.
• Kumiko Oguma, Field demonstration of UV-LED disinfection at small and decentralized water facilities, Journal of Water & Health, 21(9), 1369–1384, 2023.
• Kumiko Oguma and Surapong Rattanakul, UV inactivation of viruses in water: its potential to mitigate current and future threats of viral infectious diseases, Japanese Journal of Applied Physics, 60, 110502, 2021.
• Kumiko Oguma, Surapong Rattanakul and Mie Masaike, Inactivation of health-related microorganisms in water using UV light-emitting diodes, Water Science and Technology: Water Supply, 19(5), 1507-1514, 2019.
• Kumiko Oguma; Surapong Rattanakul; and James R. Bolton, Application of UV Light Emitting Diodes to Adenovirus in Water, Journal of Environmental Engineering, 142(3), 04015082, 2016.