東大工学部 進学選択ガイダンス - バイオ・メディカル

目次

バイオ・メディカル

都市工学科

水,土壌など都市生活に欠かせないものの多くは,バイオプロセスにより維持されています。また,都市において感染症を防ぐための技術も我々の専門領域です。都市工学科では,環境微生物工学,環境公衆衛生,国際環境公衆衛生といった講義群でこれらを学び,水環境学や水質変換工学,上下水道システム、環境工学実験演習といった講義群のなかで、都市の基盤施設である上下水道施設やさまざまな廃水・廃棄物処理設備,さらには都市の環境を構成する河川,湖沼,土壌,内湾などのフィールドでの活用を学びます。
研究においては,バイオテクノロジーを用いた高度な処理技術の開発や,下水に含まれるコロナウイルスを調べて感染状況を把握するなど,社会へ貢献する技術に取り組んでいます。さらには途上国における環境・衛生問題の解決まで,環境をまもるために先端的なバイオ技術を活かしていくことも,都市工学の役割の1つです。

 

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機械工学科

機械工学科では,マイクロ~ナノスケールの物理現象や生命現象の理解を通じて,機械工学を基礎とした新しいバイオテクノロジーや医療技術を創造することを目指しています。そのため,バイオエンジニアリング,生体機械工学,神経と脳,医療工学,生体システム工学,創造設計演習などの講義・演習を通してバイオ・メディカル分野における機械工学の体系を学びます。卒業論文では,手術ロボットに代表される革新的な診断・治療技術の研究をはじめとし,患者自身の軟骨組織や血管を再生させて治療を行う再生医療や,細胞・DNA分子のマニピュレーションによる細胞の機能制御や1細胞・単分子解析技術に関する研究などに取り組みます。さらには,マルチスケール数値シミュレーションに基づく生体挙動の可視化などの研究により医工連携の最先端に携わることができます。

 

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機械情報工学科

機械情報工学科では、人間の理解や支援という立場から、高度な機械技術や情報 技術を礎にして、バイオ分野やメディカル分野に貢献しています。生物の仕組 み、例えば超高感度な昆虫や犬の嗅覚センサー、効率的な脳の情報処理や筋肉の 動き、細胞の自己修復システムなど、工学者が学ぶべき点は多くあります。
本学科では、様々な生物学的な実験手法を用いて、細胞からヒトまで、また、遺伝子から行動まで、脳の情報処理方法や生体メカニズムをマルチスケールで研 究しています。これらの生物学的な知識から工学的に再構築された生体組織や機 構は、次世代のロボット知能として革命を起こすと期待されています。
また、ロボット技術と情報技術は、革新的なバイオテクノロジーの開発にも必要 不可欠です。実際に、治療を支援する知能機械や、再生医療、組織工学などを駆 使したサイボーグ工学、高齢者や障害者の日常生活や社会参加の支援する新しい 福祉環境の実現のための医療用ロボット、マイクロ・ナノデバイスを含むバイオ メディカルデバイスが開発されています。

 

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精密工学科

精密工学科での「バイオ・メディカル・生命・科学」の取り組みは、細胞操作、微小な生体液や微小な生体組織を物理的に精密操作し、生体のさまざまな活動を「測る」「識る」「制御する」生体工学技術を学びます。
本学科では微小な生体のさまざまな活動を計測するセンサ技術、また微細な診断治療支援分野や細胞培養制御へのロボティクス・メカトロニクスの応用、さらに種々のセンサ情報からの疾患診断、疲労度や快適性の推定手法などの研究がおこなわれています。これらの先進的な研究活動の知見をもとに、精密工学科では生体に関するミクロな現象を観測、制御し、マクロな生体現象を認識、制御する工学を俯瞰的に学ぶことが可能です。

 

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電気電子工学科

電気電子工学科では、「生命」を知り、「生命」を生かすためのエレクトロニクスを学ぶことができます。
電気電子回路、情報通信、コンピュータを学ぶことで、電気システムとしての人体や、脳について理解を深めることが出来ます。また医療検査や診断機器の基礎となる、センサ、制御工学も講義されています。さらに、"DNA"や"光合成"を究極の微小メモリ、自然が創造した太陽電池と捉えて、バイオシステムの機能、動作原理をエレクトロニクス、物理的視点で理解するための基礎と専門科目を学べる点が本学科の特長です。卒論で所属する各研究室では、先端電子・光工学技術を用いたバイオ・メディカル研究、生体機能を模倣したセンシング、情報処理技術に関する研究を行っています。

 

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計数工学科

科学技術の基幹たる「普遍的な原理・方法論」を目指して! これが計数工学科の目指すところです。この「普遍的な原理・方法論」の研究は、個別の分野の研究と不可分の関係にあり、計数工学科では、「普遍的な原理・方法論」の研究とともに、様々な分野の研究が行われています。
「バイオ・メディカル」に関係するものとしては、例えば、脳の数理モデリング、数理モデルに基づくテーラーメイド前立腺癌治療、DNAのデータからの進化系統樹推定、人工触覚システム、生物模倣センサ、Brain-Computer Interface、バイオデバイスなどの研究があります。学科のカリキュラムでは、講義で「普遍的な原理・方法論」の基礎を身につけ、卒業研究を通して、原理・方法論を発展させたり、実際的問題の解決に取り組みます。

 

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マテリアル工学科

失われた身体の機能を代替する人工臓器や、副作用を起こさずに患部にのみ薬を運ぶ人工ウィルスのような、私たちの命と健康を守るバイオマテリアルについて学ぶコースです。新しいバイオマテリアルの創製のために、基礎知識としての各種材料学や物性評価法の他に、バイオ界面工学など生命化学や各種境界領域にも踏み込んで学べます。
マテリアル工学は、物質文明の基礎となるマテリアル全般を研究対象とした、すべての工学の基礎となる分野です。私たちは、学際的な広い視点から人間社会全般の幸福に寄与できる人材の育成を目指しています。マテリアルA(バイオマテリアル)コースは、マテリアル工学科の他の2コースと連携して、幅広い見識を養うための教育を実践し、最先端の研究を進めています。

 

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化学システム工学科

化学システム工学科では分子から地球に至る各スケールでの化学現象の解析・制御と、それら構成要素のシステム化・設計に重点を置く、化学システム工学の方法論を身につけることができます。iPS細胞、抗体医薬、癌ワクチン、siRNA、臓器再生、医療の分野では多くの革新的な基盤技術が発見されつつあります。しかし、一つ一つの技術だけでは複雑な生体システムの機能の制御することはできません。また、医療システムに関する研究も行っており、様々な視点・スケールから物事を捉える化学システム工学のアプローチは、バイオ・メディカル分野において大きな役割を果たすことができます。当学科では上述したような取り組みおよび人材育成により社会に貢献したいと考えています。

 

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化学生命工学科

化学生命工学科におけるバイオ・メディカルの鍵は「分子」であり、あらゆる生命現象を分子レベルで解き明かし、それらを基盤とした生命科学によって、新規の機能性分子をデザインし、化学の力を借りて全く新しい生命システムを創成することを目指しています。様々な生命現象を、分子レベル・化学反応レベルで説明するために、バイオテクノロジー、分子生物学、生命化学演習、生命工学実験などの専門科目について本学科の教員が本格的に教育を行っています。
遺伝子発現の制御、細胞内外の情報伝達、生合成や代謝など、複雑な生命システムを分子レベルで解き明かす時、初めて発生や分化、脳の神経回路、免疫システム、疾患などの複雑かつ精妙な高次生命現象を説明することができます。自然に学び、それを凌駕する生命システムの創造と応用こそが本学科の究極の目標です。

 

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