工学部訪問記:西大和学園 No.3

工学部訪問記:西大和学園 No.3

工学部訪問記:西大和学園 |No.1No.2|No.3|No.4No.5

No.3 森田 賢

はじめに

東京大学という名前は何度も耳にしたことがあるが、その大学内部ではどのような施設があって、どのような研究を行っているかは全くわからないのが私の現状である。今回、少しでも大学でどのようなことが行われているかを知りたいと思い、見学させていただいた。

概要

東京大学の起源は江戸時代に幕府が設立した開成所、および医学所である。その後1877年に東京開成学校と東京医学校を合併して東京大学が設立。現在の教職員数は1100人で、生徒数は約2000人である。
今回訪れた工学部は、1886年に創設され、17学科がある。その17学科とは、社会基盤学、建築学、都市工学、機械工学、産業機械工学、機会情報工学、航空宇宙工学、電気工学、電気情報工学、電子工学、物理工学、計数工学、マテリアル工学、応用化学、化学システム工学、化学生命工学、システム創世である。そして工学部では、多様で複雑な、しかしながら力強い魅力あふれる「工学知」の育成を目標としている。

本論

機械工学専攻の金子成彦教授研究室では、石油にかわる新しいエネルギーを考える研究を行っている。それは、バイオマスガスという生ごみや木の破片を燃やす時に出るものや天然ガスという東南アジアや西アジアでとれるものを使うということである。そしてマイクロガスタービンという発電機と各家庭や工場、マンションなどに置くことにより送電機が不要になり、より効率的な電気の供給と発電時の熱を風呂や暖房に利用できると説明を受け、未来における重要なエネルギーとなることは間違いないと感じた

 

産業機械工学専攻の光石衛教授研究室では、手術補助ロボットや人工関節の研究を行っている。例えば、コンピュータにあるデータを入力して骨を正確に削って人工関節を作製したり、人間の体を傷つけないで遠距離からロボットを駆使して、うまく手術を行うことを研究している。こういう時代には、新しい病気ができてくる可能性があるので、この分野はこれからさらに研究が進んでいくと考えられる。

 

情報理工学系研究科知能機械情報学専攻の下山勲教授研究室では、細かな昆虫の行動・習性に関する研究を行っている。例えば、蝶の飛び方について実際に模型を作製し、忠実にその動きを再現し、そのメカニズムを飛行技術に応用することや、ありが6足出歩くことのメカニズムを研究している。様々な例の中で私が一番印象に残ったのは、カイコガのメスがフェロモンをだしてそれにオスが引き寄せられるという事実を利用して、それに似た感じのにおいに反応するロボットを作り、台所でよく起こるガス漏れの早期発見につなげようとする取り組みであった。
私の場合、カイコガのメスがフェロモンを出してオスが引き寄せられるという事実がわかれば「そういうことなのか…」とここまでの内容を理解して、そこでそれ以上のことを考えることをやめてしまう。そこからさらに突き止めて「一般的な生活に利用できることは無いだろうか」「そのためにはどうすればよいか」といった、先へ先へより深く考え、研究を重ねていく研究者の考えに感動した。

まとめ

東京大学工学部を訪問してたくさんの事を知り、たくさんのことを学ぶことができた。大学での研究内容だけでなく、大学はどういうものか、そして大学での生活スタイルなども知ることができ、東京大学工学部の素晴らしさをより強く実感することができた。
まだ理系・文系の選択に悩んでいるが、これだけは自信を持って言える。それは、この東京大学工学部を訪れることにより、人生の糧とでもいうべきものを得ることができたということである。これから先まだまだ目に見えないながらも可能性はたくさんある。このような機会を通じて、色々なことを吸収し、積極的に考えていきたい。

 

(日本語のみ)