化学システム工学科

化学知を社会に ~「化学」と「システム的思考」で社会を学び、社会を先導する~

  人類が直面する社会課題は、ますます複雑化しています。しかし、確固たる化学の知識に基づいて、俯瞰的な視点からそれらの課題をシステムとしてとらえると、混沌として見えた現象同士の繋がりや相互作用が論理的に整理され、その姿をはっきりと見ることができます。化学システム工学科は、システム全体としての最適解を実現するために、様々な化学知を融合し、具体的かつ現実的なソリューションを提示することで、リアルタイムに社会に貢献しています。
 その研究分野は次世代電池や再生医療の材料開発を行っている実験系の研究室からマルチシミュレーションや循環社会システム設計を行う非実験系の研究室まで多岐に渡っています。実験と計算機科学を融合させた研究を進めている研究室もあります。

教員紹介

分野・コース

化シスの研究室は以下のように多岐にわたりますが、現実の課題解決という明確な視座の下、互いに協力して活動しています。

 

環境NOx やPM2.5 のような大気汚染物質の計測技術とともに、問題を根本的に解決できるような燃焼技術や触媒の開発をしています。
エネルギー持続可能なエネルギーシステム構築に向け、太陽電池や燃料電池、蓄電デバイス、太陽光で水を分解して水素を取り出す「人工光合成」の技術を開発しています。
医療病気と闘うための医薬品や新規材料の開発・再生医療のための細胞組織、ならびにそれらを上手に製造し、医療現場で使用していくためのプロセス設計に取り組んでいます。
材料・デバイス先進医療から発電や蓄電、先端エレクトロニクスに至るまでの新規材料・合成技術を開発しています。
産業応用国内外企業との共同研究やインターンシップを積極的に行い、教育・研究活動に産業との強いつながりを持たせています。
安全・安心製品やシステムの設計、製造から流通、利用、廃棄のすべての段階での安全を確保するため、安全構造の解析と構造安定化要因の抽出を行い、対策に活かしています。

教育

専門知識と周辺知識をバランスよく兼ね備え、分子から地球までを見わたせる「スペシャリストにしてジェネラリスト」を育成します。
学部教育は、講義、演習、実験、卒業論文からなり、特に、輪講やグループ研究による学生参加型講義、講義と組み合わせた演習、余裕のある学生実験、学生の自主的取組を促す卒業論文を重視しています。 カリキュラムの内容は、物理化学、量子化学、化学反応論、有機化学、無機化学などの基礎化学、化学工学、反応工学、プロセスシステム工学、環境システム工学などの化学システム工学基礎に分類でき、環境調和型化学あるいは化学技術を新しい概念で実現するための「化学システム工学」に関連したテーマで卒業研究を行います。

学部カリキュラム6
大学院教育では、基礎専門知識の深化、専門領域を横断する広い視点の獲得、最先端トピックスへのアクセス、体験型の学習手法などを重視したカリキュラムを提供しています。

大学院カリキュラム

また、リアルタイムの社会貢献も視野に入れて、産学連携活動も積極的に行っています。国内外へのインターンシップや企業で最先端の R&D に触れるプラクティススクールを行っています。

 

進路

化学システム工学科の学部学生のほとんどが修士課程に進学します。修士学生は 2 割ほどが博士課程に進学します。
化学システム工学科/専攻では、基礎化学から材料設計やシステムまで多くのことを学ぶため、幅広い分野に就職実績があります。化学系企業はもちろん、石油・ガス、電機関連のメーカーを中心に、近年では情報関連企業やシンクタンク等への就職も増えています。
博士課程に進学した学生の多くは、大学等の公的機関や民間企業の研究職に就いています。

 

学部卒業生・大学院修了生の主な就職先

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