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2020.10.02

【若手研究者紹介:039】マテリアル工学専攻 温プロセス物理化学研究室 松浦宏行 准教授



【経歴】
2001年3月:東京大学工学部マテリアル工学科卒業
2003年3月:東京大学大学院新領域創成科学研究科物質系専攻修士課程修了
2006年3月:東京大学大学院新領域創成科学研究科物質系専攻博士後期課程修了、博士(科学)
2006年4月-2007年6月:カーネギーメロン大学Research Associate
2007年7月-2010年8月:東京大学大学院新領域創成科学研究科物質系専攻助教
2010年8月-2012年3月:東京大学大学院新領域創成科学研究科物質系専攻講師
2012年3月-2016年9月:東京大学大学院新領域創成科学研究科物質系専攻准教授
2016年10月-現在:東京大学大学院工学系研究科マテリアル工学専攻准教授

【研究について】
我々の社会は、様々な物質の存在と利用によって成り立っています。その中でも、社会が必要とするときに、必要とする量を一定の品質を保証して常に供給できるものが材料と呼ばれ、材料の安定供給は産業活動を根底から支える重要な使命です。当研究室は、その使命に応えるべく、重要な材料のひとつである高品質の金属材料の安定供給に寄与する高温プロセスの開発を進めています。日本は資源もエネルギーも海外に大きく依存しているため、以前から省資源・省エネルギーは研究開発の大きな動機として存在しています。さらに近年ではSDGsに代表される社会全体の持続的発展や企業の社会的責任の達成など、社会の価値観の変革に伴ってこれまでとは異なる視点からの開発が求められるようになっています。鉄鋼材料を始めとする金属材料の高温製造プロセスはエネルギー多消費型のプロセスであるため、当研究室ではこれまで以上の材料の品質を維持しつつもエネルギー利用効率を上げるための様々なプロセス開発と技術の根底となる学理の追及に取り組んでいます。また、従来、金銭的利益を生み出さないため利用価値が無いと見做されてきた副産物・廃棄物を再評価し、元素レベルでの利用価値の追求や、従来とは全く異なる分野での利活用など、これまでの枠に囚われない活動に取り組んでいます。




【今後の抱負】
鉄鋼生産で発生するスラグを海域で活用し、海の砂漠化である磯焼けの回復に資する研究などは、全く未知の分野ですが、海洋環境学を専門とする研究者や企業研究者、さらに漁業関係者など、様々な異分野の人々との交流を通じて常に学ぶ機会を求めています。仰々しい表現かもしれませんが「現代の錬金術師」と言われるよう、材料学の専門家としての礎に研究の中心軸を置きつつも、夢を追い求めて新たな人々との協業に邁進したいと思います。

【WEB】
研究室:http://www.pyro.t.u-tokyo.ac.jp/