プレスリリース

2015.05.12

「水をはじく表面」近くの水は、塩を溶かしにくい事を初めて実証-汚染を防ぐ新たな表面材料開発へ道- : 化学生命工学専攻 相田卓三教授

表面の汚染は、日常生活における服の汚れから船底への貝の付着に至るまで様々なところで問題となる。汚染は、材料表面に汚染物質が密着することにより起こるため、汚染しにくい材料表面をデザインするためには、表面におけるナノスケールでの物質が接着する様子の理解が不可欠であるが、その実態はよくわかっていない。

今回、東京大学大学院工学系研究科化学生命工学専攻の伊藤喜光助教、同専攻の相田卓三教授(理化学研究所 創発物性科学研究センター 副センター長を兼任)らの研究グループは、「塩」が材料表面を汚染した場合、材料表面の「水をはじく性質」が強ければ強いほど塩が溶け出しにくくなる事を見いだした。人工的に塩を表面に配置した板を使い、「塩」と「水をはじく表面」との距離を変えて塩の溶け出し具合を比較したところ、「塩」が「水をはじく表面」に近ければ近いほど溶け出しにくい事が明らかとなった。このような変化を与える塩と表面の距離は1ナノメートル程度で発現し、これは物質と表面の密着具合に密接に関連する。

本研究で見いだされた「水をはじく表面」近くの水は、塩をとかしにくいという現象は、これまで考えられてきた塩の溶解性に関する基礎科学的な常識を覆すことになる。そのため、新たな汚染防止表面の開発だけでなく、「水となじむ部位」と「水をはじく部位」の複雑な相互作用の理解が必要な薬剤設計に大きな影響を与えると期待される。

aida_20150512001.jpgのサムネール画像

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