プレスリリース

2015.05.01

トポロジカル絶縁体の表面ディラック状態の量子化を実証-低消費電力素子への応用に期待- : 物理工学専攻 博士課程 吉見龍太郎, 川﨑雅司教授, 十倉好紀教授

トポロジカル絶縁体は、内部は電流を流さない絶縁体状態ですが、表面は金属状態という特殊な物質です。表面の金属状態は、ディラック電子とよばれる質量を持たない電子が存在するディラック状態です。トポロジカル絶縁体はエネルギーをほとんど使わずに電気伝導が可能なことから、低消費電力素子への応用に向け研究が活発化しています。しかし、実際のトポロジカル絶縁体の内部では、結晶欠陥などによってわずかに電流が流れてしまい、表面のディラック状態だけの純粋な電気伝導を取り出すことはこれまで難しいとされていました。

今回、共同研究グループは、トポロジカル絶縁体の1つ「(Bi0.12Sb0.88)2Te3」(Bi:ビスマス、Sb:アンチモン、Te:テルル)の高品質薄膜の作製手法を確立し、ほとんど結晶欠陥のない(内部に電流が流れることがない)薄膜の作製に成功しました。これを用いて電界効果型トランジスタ構造を作製し、試料内部の電子数を少しずつ変化させながらホール抵抗を測定したところ、ホール抵抗が量子化抵抗値(約25.8kΩ)で一定となり、試料が整数量子ホール状態になっていることを確認しました。この成果は、高速で低消費電力の素子への応用が期待できます。

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