プレスリリース

2015.01.19

軟骨そっくりだけど、構造はもっと単純な人工ゲル - 縦に硬く、横にしなやかな新物質:人工軟骨や防振材料への応用に期待- : 化学生命工学専攻 相田卓三教授

東京大学の相田卓三教授、理化学研究所の石田康博チームリーダー、物質・材料研究機構の佐々木高義フェローらの共同研究グループは、互いに向き合ったイオン性の無機ナノシートをヒドロゲル中に埋め込むことにより、極めて異方的な力学特性を示す材料を開発しました。

電気・磁気の反発力を利用したリニアモーターのような装置は、引力だけでは決して得られない特別な性能を発揮します。これに対し、ゴムやプラスチックなどの高分子材料では、構成要素間の引力を高めることで強度向上が図られるものの、反発力を利用する試みは全く行われていません。一方、動物の関節軟骨は、高密度の負電荷を持つ高分子で構成され、それらの間に働く静電反発力により、驚異の耐荷重性と低摩擦性を両立しています。

;共同研究グループは今回、水中に分散したイオン性の酸化チタンナノシートに磁場を加えると、ナノシート同士が互いに向き合って配列し、ナノシート間に巨大かつ異方的な静電反発力が発生することを発見しました。この分散液をそのままヒドロゲルに変換すると、ナノシートの配向が固定されます。静電反発力を内包したこの材料は、ナノシートに平行な方向のせん断力に対しては容易に変形する一方、それと垂直な方向の荷重には耐えるという、従来の材料では実現不可能な力学特性を示します。

本発見は、これまでの省みられることのなかった反発力の利用が、全く新しい力学物性につながることを実証しており、今後の材料科学に新たな可能性を開きます。

a novel hydrogel

 

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