プレスリリース

2018.08.24

超小型衛星「たすき」(TRICOM-1R)の運用終了について:航空宇宙工学専攻 中須賀真一教授ら

立研究開発法人宇宙航空研究開発機構(JAXA)のロケットSS-520 5号機によって打上げられた超小型衛星「たすき」(TRICOM-1R)につきまして、平成30年8月22日をもって運用終了しましたのでお知らせします。 

本事業は経済産業省 平成27年度宇宙産業技術情報基盤整備研究開発事業(民生品を活用した宇宙機器の軌道上実証)の採択をうけて、JAXA、東京大学のほか、民生品を担当する民間企業の参画を得て実施されました。

平成30年2月3日の打上げ以降、予定していた運用期間(約30日程度)を超えて、およそ半年に渡って「たすき」の運用を実施いたしました。その間、地球を周回しながら地上端末から送られる特定小電力無線局(送信出力20mW)による弱電波を受信することで地上データを収集(Store)し、衛星が管制局上空に来た時にコマンドにより地上局にデータを転送(Forward)するStore and Forwardミッションや、搭載した小型カメラを用いた地球撮像ミッション、また、打上げ・軌道投入後ただちに自律的に地球撮像を実施して、地上との最初の通信で観測データを地上へ送る即時観測ミッション等を成功させました。
なお、「たすき」は地球大気圏に再突入し燃え尽きたものと推定しております。

中須賀 真一 東京大学大学院工学系研究科 航空宇宙工学専攻 教授のコメント
「3kg程度の3UサイズのCubeSatが実用的なミッションを実施できることを示し、また低コスト・短期に開発できたことは大きな前進であり、経済産業省、JAXAはじめ関係各所に感謝申し上げます。この成果を元に、すでにルワンダ政府と連携して同タイプの衛星を開発し来年打ち上げることが決まっており、それ以外にも海外から引き合いが来ています。またStore & Forward実験は日本だけでなく海外からのアップリンクにも成功しています。この成果を元に、多くの国や機関と連携してこの衛星を多数製造し、コンステレーションとして運用する計画を持っていますが、その礎が今回のプロジェクトで確立できたと考えています。」

羽生宏人 SS-520 5号機プロジェクトマネージャのコメント:
「ロケット打上げの翌日、衛星運用室においてStore and Forwardミッションの最初の通信実験に立ち会わせていただきました。「たすき」との交信が成功したときの中須賀先生をはじめ衛星チームの面々が大喜びしていたことが昨日のことのように思い出されます。
 今回の成果が超小型衛星の技術を飛躍的に発展させ、私たちにとって宇宙利用がより身近なものになっていくことを祈っております。
本実験にご協力いただきました多くの関係機関の皆様に改めて深く感謝申し上げます。」

 
TRICOM-1R「たすき」


プレスリリース本文:/shared/press/data/setnws_201808241835340545063996_131212.pdf

宇宙航空研究開発機構(JAXA):http://www.jaxa.jp/press/2018/08/20180823_tricom_j.html