2026年8月13日、電気系工学専攻 曹 薇さん(D1)、廣瀬 明 教授、夏秋 嶺 准教授、宋奕成(発表当時:日本学術振興会特別研究員、現:名古屋工業大学特任研究員)さんがIEEE GRSS Symposium Prize Paper Awardを受賞されました。
IEEE GRSS Symposium Prize Paper Award
IEEE GRSS Symposium Prize Paper Award は IEEE Geoscience and Remote Sensing Society (GRSS) が開催する国際学会 International Geoscience and Remote Sensing Symposium (IGARSS) の前年の会に採録されたもののうち、最も優れた内容の口頭発表に対して授与されます。IGARSS 2025はオーストラリアのブリスベンで開催され、1507件の口頭発表の中から本研究が賞に選定されました。本賞を日本の組織に所属する研究者が受賞するのは、1982年創設の本賞の歴史において2013年以来3度目です。
受賞された研究内容・活動について
本研究では、合成開口レーダ(Synthetic Aperture Radar: SAR)を用いた多方向からの観測データの干渉コヒーレンスを時空間的に統合することによって、高精度に都市域の浸水域を検出することに成功しました。従来のSARを利用した浸水域検知は、浸水前後の輝度値の変化を指標としてきましたが、都市域では建物の存在により観測可能な地表面が限られ、高精度な検出が困難でした。干渉コヒーレンス解析は災害などにより地表の散乱源の変化を高感度に検知する手法ですが、都市域では水面上の建物が安定した散乱源となり、浸水による干渉コヒーレンスの変化を検出しづらい問題がありました。本研究は、多方向からの多時期の観測データを利用した干渉コヒーレンス解析が都市域の浸水域検知に有効であることを明らかにし、将来的には災害全般において被災領域の高精度な把握を可能にするものです。
W. Cao, Y. Song, A. Hirose and R. Natsuaki. "Urban Flood Detection Using Ensemble of SAR Multi-Spatiotemporal Interferometric Coherence," In Proc. IGARSS 2025 - 2025 IEEE International Geoscience and Remote Sensing Symposium, pp. 5778-5782, 2026.
今後の抱負・感想
曹 薇:国際学会においてこのような賞をいただくことができ、大変光栄に思っております。日頃よりご指導いただいている夏秋先生、廣瀬先生に改めて心より感謝申し上げます。今回の受賞を励みに、都市域における災害モニタリングに貢献する研究成果を上げるべく、引き続き努力してまいります。
宋 奕成:この殊栄を励みに、研究に努力してまいります。
廣瀬 明 教授:これを励みに、これからも一層尽力して参ります。
夏秋 嶺 准教授:このたびは歴史ある賞を賜り大変光栄に感じます。今後もレーダ・リモートセンシングの原理から社会利用にいたる End-to-End の研究に邁進し、社会に貢献してまいりたいと思います。
IEEE GRSS Symposium Prize Paper Award