2025年9月11日、電気系工学専攻 川原研究室 金 潭延さん(M2)がDICOMO 2025 シンポジウム 優秀論文賞を受賞されました。
DICOMO 2025 シンポジウム 最優秀論文賞
情報処理学会主催「DICOMOシンポジウム」は、1997年から続くネットワーク・セキュリティ・分散システム分野における国内最大級レベルの国内会議です。 本賞は、同シンポジウムで発表された200件以上の論文の中から、特に優秀と評価された論文に授与されます。
受賞された研究内容・活動について
我々は、ドローンや成層圏プラットフォーム(HAPS)から大量に投下・散布する空中散布型センサシステムの実現に向けたヒンジ機構を提案しました。広範囲を滑空するセンサシステムの実現には、センサ自体が滑空に適した立体形態をとることが重要です。一方、従来の空中散布型センサは、積載の困難さやアクチュエータの必要性から、製造・運搬が難しいという課題がありました。そこで本研究では、積載に適した平面形態から投下後に滑空に適した立体形態へと受動的に変形するセンサデバイスを実現するための弾性ヒンジ機構を提案しました。本機構は、複数のシート材料を接合してから加熱するだけで、平面状態から狙った折れ角に変形が可能となります。所望の折れ角を実現するためのモデルを構築・解析したほか、耐久性、変形特性についても評価しました。さらに、本機構を用いた機体型センサを試作し、設計した角度により滑空性能が調整できることを示しました。
金潭延, 本庄祐一, 飯塚達哉, 大久保直美, 竹内優維斗, 遠藤直人, 松原浩史, 川原圭博, 森田直人, 笹谷拓也, “平面積載可能な散布型飛行センサのための自律変形機構,” DICOMO 2025, 5D-2 pp. 980–986, June 2025.
今後の抱負・感想
この度はこのような賞を賜り、大変光栄に存じます。実験、執筆に際し熱心にご指導いただいた教員の皆様、ご協力いただいた研究室の皆様に改めて心より感謝申し上げます。今回の経験と研究成果を活かし、さらなる結果に繋げられるよう今後も研究に邁進してまいりたいと思います。