2025年3月13日、化学システム工学専攻 根本 耕輔さん(M2)が化学工学会 第90回年会 優秀学生賞を受賞されました。
化学工学会 第90回年会 優秀学生賞
ポスター発表において、学生による発表のうち、研究面および発表者について産学官の審査員が総合的に評価したうえで、その得点等を考慮し、発表総数の上位12%以内の学生に授与される賞です。
受賞された研究・活動について
近年、がんなどの重病の治療において用いられるモノクローナル抗体(mAb)の需要が急拡大しています。mAb製造における培養プロセスは複雑な工程を必要とし、最終製品のコスト増大の要因となっています。多くの決定すべき設計変数がある中で、経験的な知識に頼らない、適切なプロセス設計を行うためには、数理モデルを用いたシミュレーションが有用となります。しかし、既存のモデルは、考慮する品質項目や適用範囲に限りがあり、精製プロセスとの接続も含めた実用性に課題がありました。
そこで本研究では、培養データを活用した新規モデルの構築と、プロセス設計・運転支援への応用に取り組みました。成果は、試行錯誤的な実験に依存しない、より効率的なmAb製造プロセスの実現に、さらには、最終製品のコスト低減に貢献することが期待されます。
今後の抱負・感想
杉山 弘和先生をはじめとする研究室メンバーや共同研究先のちとせ研究所の皆様のご指導・ご支援により、本研究は進めることができました。この賞を励みとして、博士課程では更に研究を発展させていきたいと思います。
化学工学会 第90回年会 学生賞受賞者一覧:http://www3.scej.org/meeting/90a/pages/jp_prize-90a.html