2025年1月12日、システム創成学専攻 木下 慶悟さん(M2)、栗原 柾由さん(M1)、システム創成学科 Bコース 林 穂高さん(B4)、ともに島田研究室のチームが2024年度スポーツデータサイエンスコンペティションにおいてサッカー部門の最優秀賞を受賞されました。
左から)島田先生、木下さん、林さん、栗原さん
2024年度スポーツデータサイエンスコンペティション最優秀賞(サッカー部門)
「スポーツデータサイエンスコンペティション」は日本統計学会スポーツデータサイエンス分科会により主催されている学生+教員のチームによるスポーツデータ解析のコンペティションです。本年度のサッカー部門には最多の42チームの発表があった中からの最優秀賞です。また、木下・栗原・島田のチームは昨年度も最優秀賞を受賞しており「2連覇」となりました。
受賞された研究内容・活動について
"サッカーにおける経路コストモデルによる攻撃時の選手配置とフリーラン方向の評価"
木下 慶悟、栗原 柾由、林 穂高、島田 尚
サッカーはピッチ上のどこに11人の選手を配置するかが非常に重要なスポーツです。我々は、選手配置によって決まるピッチ上のスペース支配度の場に基づき仮想的な経路での攻撃のコスト(「攻撃の進みにくさ」)を経路積分の形でモデル化し、最適な経路のコストによって守備側選手配置の良さを定量化する手法を提案してきました。
今回はこの枠組みをさらに発展させ、トラッキングデータを用いた解析を進めました。これにより、攻撃方向と守備方向(ボールを失ってカウンターに遭った場合)でスペース支配度の重要性が異なることや、配置評価から攻撃結果を予測できる時間が約2~3秒後までであることを見出しました。さらに、この選手配置の評価を良くする方向として攻撃側各選手の動くべき方向を定義し、これによって実際のフリーランの方向が説明・分類できることを示しました。
これらは、サッカーの複雑なダイナミクスの理解を深めるものであると同時に、サッカーの現場へのフィードバックにも活用しやすい成果です。
今後の抱負・感想
木下 慶悟:
このような名誉ある賞を2年連続でいただき非常に嬉しいです。また、栗原君、林君、島田先生に大変感謝しております。
今回、昨年度に提案した経路コストモデルを大きく発展させ、サッカーの様々な局面におけるチームの選手配置を評価できるようになっただけでなく、サッカーの文脈に沿った選手個々のポジショニング評価の可能性も示しました。我々は「現場ですぐにでも使える」成果を挙げることを研究の主眼としてきました。今後、サッカー界に応用されることを期待していただければと思います。
栗原 柾由:
昨年度に引き続きこのような栄誉ある賞をいただけたことを大変嬉しく思います。内容面では昨年の経路コストモデルを利用しながらも大きく発展させることで、新しく興味深い示唆を得ることができました。木下さん、林くん、島田先生と共にこの研究に関われたことを誇りに思っております。この経験と成果を活かして、これからも研究に励んでまいります。
林 穂高:
この度は栄えある賞をいただき、心より嬉しく思います。 先輩方のこの素晴らしい研究に共に取り組んだ経験は深い学びとなり、今後の大きな成長の糧となると確信しております。今回の主題の1つであるフリーラン方向評価は大きな成果を残した一方で、さらなる発展の余地を多分に考えさせるものでした。今後の研究の発展に強く期待しています。
2024年度スポーツデータサイエンスコンペティション審査結果:https://sports.ywebsys.net/news/archives/0027/