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若手研究者紹介:數間 惠弥子 准教授

作成者: Public Relations Office|Jun 28, 2022 4:53:05 AM


若手研究者紹介:064

応用化学専攻 金研究室 數間 惠弥子 准教授 

 

 

【経歴】

20123月 東京大学大学院工学系研究科応用化学専攻 博士課程修了 博士(工学)

20124月 東京大学生産技術研究所 特任研究員

20134月 日本学術振興会 特別研究員(SPD

20154月 理化学研究所 基礎科学特別研究員

20184月 理化学研究所 研究員

201810月  科学技術振興機構 さきがけ研究者(兼任)

20224月 東京大学大学院工学系研究科応用化学専攻 准教授

 

【研究について】

金や銀のナノ粒子は局在表面プラズモン共鳴(以下、プラズモン)に基づく強い光吸収によって鮮やかに発色し、古くからステンドグラスなどに用いられてきました。また、プラズモンにより光が金属ナノ粒子の周囲数十nmの空間に集められ非常に強い電場(近接場光)を生じることから、プラズモンを利用した太陽光エネルギーの高効率な変換が可能であり、太陽光発電や化学反応、分光分析などへの応用が期待されています。中でも化学反応においては、プラズモンが光化学反応を増強するだけでなく、特異な反応を誘起することが報告され、触媒応用の研究が盛んになっています。これまで私はプラズモンが誘起する化学反応の機構と素過程を解明するため、近接場光が局在する極微小領域で走査プローブ顕微鏡により反応を実空間で直接観察することで、マクロスコピックな手法では得られない知見を獲得してきました。実際に、単一粒子さらには単一分子レベルでの反応観測を達成し、反応の機構と素過程の詳細を解明してきました。

 


現在は反応解析だけでなく、反応場となる表面の開発により新奇な反応経路の開拓、ならびにプラズモンが誘起する化学反応の積極的な制御を目指して研究に取り組んでいます。

 

【今後の抱負】

これまで展開してきた微視的な研究に今後マクロスコピックな観測・解析を組み合わせることで高効率かつ高選択的な光化学反応を可能にする触媒表面に関する知見を積み上げ、化学の立場から太陽光エネルギーの有効利用を可能にする技術開発に貢献していきたいと考えています。

 

URL

金研究室:https://www.appchem.t.u-tokyo.ac.jp/lab/kim/