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バイオエンジニアリング専攻 近藤真司さんが 2015 International Chemical Congress of Pacific Basin Societiesにおいて Student Poster Competition Award を受賞されました

作成者: Public Relations Office|Jan 4, 2016 3:00:00 PM

 

2015年12月18日、バイオエンジニアリング専攻 近藤真司さんが、2015 International Chemical Congress of Pacific Basin Societiesにおいて Student Poster Competition Award を受賞されました。

この賞は、優れたポスター発表者に与えられる賞です。3645名の候補者の中から54名が選出されました。

 

 

<受賞された研究・活動について>
ゲルとは、高分子の三次元網目構造が溶媒を含んだ柔らかい材料を指します。生体軟組織と組成が類似していることから、再生医療の構造材料としての応用が期待されています。しかしながら、ゲルは繰り返し荷重がかかると突発的に壊れてしまう性質を持つため、材料の耐久性という観点から問題がありました。本研究では、親水性高分子鎖と疎水性高分子鎖をゲルの網目構造におよそ均質に組み込むことで、ゲルに可塑性を付与し、長期間同じ強度と伸縮性を保つ性能を世界で初めて実現しました。今回開発したゲルでは、水中で疎水性高分子が凝集し、ゲルの網目構造を補強します。ゲルに荷重がかかると、網目構造が壊れる前に凝集体の一部が優先的に壊れることで、局所的な応力集中を解消します。水中での耐久性試験では、100回繰り返し3倍伸長試験に耐え、材料疲労は見られませんでした。人工軟骨や人工椎間板など、体の荷重がかかる部位への応用や、人工筋肉などの繰返し曲げ伸ばしが求められるものへの応用が期待されます。

 

 

<今後の抱負・感想>
世界中から研究者が参加する国際学会において自分の研究が評価され、ポスター賞を頂いたことは大変嬉しく、励みになります。これまでご指導いただいた鄭雄一教授・酒井崇匡准教授に厚く御礼申し上げます。今後もゲルの生体応用に向け、更に研究を進めて参ります。