トピックス

原子力国際専攻 ベレデジャン ミシェルさん(M2)・竹内大智さん(M2)がThe 8th International Particle Accelerator Conference (IPAC’17) においてIndustrial Committee Student Poster Awardを受賞されました

 

2017年5月16日、原子力国際専攻(M2)ベレデジャンミシェルさん、竹内大智さんがThe 8th International Particle Accelerator Conference (IPAC’17) においてIndustrial Committee Student Poster Awardを受賞されました。

IPACは、加速器研究における最新成果と、既存加速器施設や将来建設が予定された加速器施設の開発に関する進捗発表の場として毎年開催されており、世界中の加速器研究者および加速器産業にとっての最大の年次イベントであり、優秀な発表を行った学生を対象にポスター賞の表彰を行っています。

 

<受賞された研究・活動について>

●受賞者:原子力国際専攻 ベレデジャン ミシェル(M2)
講演タイトル:Development of Moisture Distribution Measurement Technology for Social Infrastructure using Mobile Linac-driven Neutron Source
講演概要:重要な社会インフラである鉄筋コンクリート橋梁における耐力低下および余寿命低下の主要な要因はコンクリート構造内部の鉄筋腐食です。コンクリート内は塩基性条件下におかれているため普段は鉄筋表面に不動態膜が形成されており内部の腐食が防がれていますが、二酸化炭素によるコンクリート中性化や塩化物イオンの侵入により不動態膜が破壊され、そこへ液状水の侵入が起こることにより鉄筋が腐食されます。このように、コンクリート内部の水分分布状態を取得することは重要な技術ですが、現場の橋梁で実用可能な非破壊検査手法としてはこれまでは存在しませんでした。本研究では水分検出手法として後方散乱中性子測定手法を提案し、3.95MeV可搬型線形加速器(ライナック)、ベリリウム中性子発生ターゲットおよびヘリウム3検出器によって構成される可搬型測定システムを開発しました。また、実際の浸水状況を模擬したコンクリートサンプルを用いた実験においてその水分検出能力を実証し、将来の現場橋梁における水分分布測定の実現へと大きく前進しました。


●受賞者:原子力国際専攻 竹内大智(M2)
講演タイトル:Structural Analysis and Evaluation of Actual PC Bridge using 950 keV/3.95 MeV X-Band Linacs
講演概要:高度経済成長期に建造された多くのコンクリート橋梁において、経年劣化による余寿命低下が問題視されています。この経年劣化の進行具合を正確に判定するために、高精度な検査手法の確立が強く求められており、透過X線検査はその一つの手法として注目されています。本研究では、950 keV 可搬型線形加速器を用いた実橋梁における透過X線検査を行い、その橋梁検査における実用性を評価しました。多様な橋梁において検査を行うため、3.95MeV可搬型線形加速器の実橋梁検査への導入を目指し、ベンチマークテストを行いました。それに加え、この透過X線検査による検査結果を用いた橋梁健全性評価を見据え、X線検査結果の画像処理手法や3次元有限要素法による構造解析の適応性についても検討しました。