トピックス

精密工学専攻 島村 勇德さん(D2)がHIRAKU 3MT Competition 2021 English Divisionで最優秀賞を受賞されました

 

2021 11 3 日、精密工学専攻三村研究室 島村 勇德さん(D2)がHIRAKU 3MT Competition 2021 English Divisionで最優秀賞を受賞されました。



HIRAKU 3MT Competition 2021とは
博士課程後期学生が、3分間の限られた時間内に自身の研究のビジョンと魅力を分かりやすく伝えるスピーチ大会で2020年度より日本全国の大学からエントリーを受け付けています。7目となる2021年度の本大会では130件の応募の中から動画審査を経てファイナリスト22(日本語部門・英語部門各11名)選出され、オンラインでのライブ決勝戦に登壇しました。

<受賞した賞の名称と簡単な説明>
未来博士3分間コンペティション2021 英語部門 最優秀賞

オンラインのライブ決勝戦に進んだ11名のファイナリストのうち、「自身の研究の魅力を3分間の英語で最も分かりやすく伝えた」と審査員会に評価された1名に贈呈される賞です。審査項目には研究の背景・意義・社会へのインパクトの他、専門外の人に対して分かりやすく構成されているか、熱意が伝わるかどうか等の発表技術も含まれます。6名の審査員が大会当日の発表を対象に賞を選定しました。
最優秀賞を受賞した島村さんには奨学金30万円に加え、協賛企業からの副賞が贈呈されました。大会の報告はHIRAKUウェブサイトに掲載された他、協賛企業であるシュプリンガー・ネイチャーの広報ページ及びnature asiaにてプレスリリースとして配信されました。

<受賞された研究・活動について>
発表タイトル:Atomic-scale “chest X-rays” with ultrasmall mirrors

X
線を微小なスポットに集めて試料を照射すると、狭い範囲での試料構造を反映した「レントゲン写真」が撮れる他、その場所に存在する元素の量や磁性を原子・分子に近いスケールで定量的に評価できます。X線は透過力が高く、分厚い試料をそのまま観察できるユニークな性質を持ちます。この性質を活かしてさらに高分解能観察を行うために、X線を集光する光学素子の研究が半世紀以上続けられてきました。
島村さんは、 X 線を微小なスポットに集光するために新しく超小型集光鏡を提案・開発してお り、比較的エネルギーが低い X 線による実証実験で前例の無い X 線集光を実現しています。こう した一連の成果を「レントゲン写真」に類推し、応用先として薬理動態(薬の原子・分子等を 追跡し、薬の効果・副作用との 関係性を調べる研究分野)の例を挙げ、一般市民にも伝わるよ うに分かりやすく講演したものが本発表です。

<今後の抱負・感想>
最優秀賞を賜り、光栄です。実は、3MTへの挑戦は今回が2回目です。それでも痛感することは、馴染みが無い「X線光学」という分野の存在をまず一般の方々に伝え、その上で背景・新規性・インパクトを社会と関連づけてまとめる難しさです。専門用語の厳選・直感的な表現・日常生活から広げる物語風の語りの3点を意識し、様々な英語レベルの友人達と共に本番まで推敲していきました。本番のライブ大会で最後評価いただけたのは、この地道な改善と友人達のおかげです。現在進行形で取り組む研究の醍醐味が伝われば、駆け出しの研究者として幸いです。


HIRAKUとは
https://hiraku.hiroshima-u.ac.jp/program_outline/

HIRAKU 3MT Competition 2021概要
https://hiraku.hiroshima-u.ac.jp/event/competition_2021/

HIRAKU 3MT Competition 2021開催報告・録画(日本語・英語)
https://hiraku.hiroshima-u.ac.jp/event/competition_2021/report/

シュプリンガー・ネイチャープレスリリース(日本語のみ)
https://www.springernature.com/jp/news/20211124-pr-hiraku-3mt-winners-jp/19887924

nature asiaプレスリリース(日本語・英語)
https://go.nature.com/30QWBg3

3MT founded by the University of Queensland
https://threeminutethesis.uq.edu.au/