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2019.03.08

【若手研究者紹介:019】化学生命工学専攻 神経細胞生物学研究室 平林祐介准教授

経歴
2001年03月 東京大学工学部化学生命工学科卒業
       学士(工学)取得、指導教官:相田卓三教授
2006年03月 東京大学大学院新領域創成科学科先端生命科学専攻博士課程修了
       博士(生命科学)取得、指導教官:後藤由季子教授
2006年04月 東京大学 研究拠点形成特任研究員
2007年04月 東京大学分子細胞生物学研究所 助教
2013年03月 米国スクリプス研究所 学術振興会海外特別研究員
2013年11月 米国コロンビア大学神経科学科 学術振興会海外特別研究員
2015年03月 米国コロンビア大学神経科学 ポストドクトラルフェロー
2016年10月 科学技術振興機構 さきがけ専任研究員(米国コロンビア大学神経科学科)
2018年10月 東京大学工学系研究科化学生命工学専攻准教授

<研究について>
我々の思考や行動は脳を始めとする神経系により制御されている。脳が正常に働くためにはそれぞれのニューロンの機能およびニューロン間のコネクションが厳密に制御される事が必要であり、そのメカニズムの解明は精神疾患や、パーキンソン病やアルツハイマー病に代表される神経変性疾患の治療に繋がる。当研究室では、細胞生物学的観点からニューロン内での情報プロセス、ニューロン間コネクションの制御、成体における神経新生についての重要な課題の解決を目指している。

オルガネラ間接触の役割:
「細胞の臓器」であるオルガネラ(細胞内小器官)たちはそれぞれ細胞の働きに重要な役割を持つ。最近になって違う種類のオルガネラ同士が接触し協調的に働くことが細胞の働きに必須であることが分かってきた。当研究室では最先端のテクニックを用いて、オルガネラ間接触が果たす役割、特にニューロンにおいて果たす役割を明らかにする。

電子顕微鏡によるニューロンのナノ構造の解明:
細胞のナノスケールレベルでの理解は未だ不十分である。この原因の一端はナノメートルレベルでの細胞内の構造観察が容易でないことにある。当研究室では、独自に開発した電子顕微鏡観察技術と深層学習による解析によりニューロンを始めとした細胞内の微細構造をより詳細にかつ3次元的に明らかにする。

成体におけるニューロン新生:
成体において作られるニューロンは記憶の形成などに重要な役割を果たしている。しかし、どのタイミングでニューロンがどの程度作られるのかなど未だ分からないことが多くある。当研究室では神経幹細胞からニューロンへの分化の過程がどのように制御されているのかを明らかにすることを目指す。

<今後の抱負>
我々の脳がどのようにして複雑な情報処理を行い感情や行動を産み出すのかは未だに多くが不明なままである。最先端の技術を取り入れ、個々の分子の動きがどのように高度な情報処理に繋がるのかを明らかにし、我々自身の理解を深めていきたい。

神経細胞生物学研究室:http://park.itc.u-tokyo.ac.jp/Hirabayashi/WordPress/jp/