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化学生命工学専攻 佐野 航季さん(D1)が The 11th International Gel SymposiumにおいてRSC Soft Matter Awardを受賞されました

 

2017年3月8日、化学生命工学専攻 佐野 航季さん(D1)が、The 11th International Gel Symposiumにおいて、RSC Soft Matter Awardを受賞されました。
この賞は、The 11th International Gel Symposiumにおいて、優れたポスター発表者に対して贈られるものです。

 

 

<受賞された研究・活動について>
動物の関節軟骨は、負に帯電した高分子同士の静電反発量を利用することによって、縦方向には高い荷重に耐え、横方向には滑らかに動くといった性質を実現しています。我々の研究室ではこの関節軟骨にヒントを得て、負に帯電した無機ナノシート間に働く静電反発力を利用した力学的異方性ハイドロゲルの作製に成功しています(M.Liu et al. Nature 2015, 517,68.)。しかしながら、この研究においてはナノシート間の静電反発力は余剰イオンによって遮蔽されており、力学的異方性も2~3程度と静電反発力の持つポテンシャルを活かしきれていませんでした(K.Sano et al. Nature Commun. 2016, 7,12559.)。今回我々は、コロイドのDLVO理論によって導かれる「系の余剰イオン濃度の減少」と「系の誘電率の増加」という2つの合理的な戦略によってナノシート間に働く静電反発力を最大化し、ハイドロゲルの力学的異方性を100以上にまで高めることに成功しました。

 

<今後の抱負・感想>
このような賞をいただき、大変光栄に思います。研究のご指導を賜りました相田卓三先生ならびに支えて下さった研究室の皆様に厚く御礼を申し上げます。今後も熱心に研究活動に励み、更なる高みを目指し邁進する所存です。