就任のごあいさつ

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工学系研究科長ビデオメッセージ

 
 

工学系研究科長メッセージ

染谷隆夫

 4月1日に工学系研究科長・工学部長に就任しました染谷隆夫です。新年度が始まるにあたり、工学部進学者・大学院新入生・新任教職員の皆さんを心から歓迎します。新型コロナウイルス感染症の影響で、キャンパスでのガイダンスが中止となりましたので、構成員の皆さんへのメッセージをネット配信でお伝えします。

 工学系研究科と工学部では、適切な準備期間を経てから授業を開始する予定ですが、事態は刻々と変化していますので、必要な連絡を電子メールなどで随時お知らせします。

 最新の情報によると、新型コロナウイルス感染症のリスクは、高齢者や免疫機能が低下している人において、急激に高まるそうです。私たちは、構成員とその家族や社会の中でリスクが高い人の健康と安全を第一に考え、ウイルスの拡散を抑えるため、最大限に努力する必要があります。そのため、対面の授業は当面実施せず、インターネットによる遠隔授業を開始します。大勢の受講者がいるため、情報インフラに負荷をかけない工夫も必要となります。長年慣れ親しんだ教育スタイルを変えることは、本当につらいことです。私も教員の一人として、その難しさがよく分かります。遠隔授業の準備を躊躇せずに進めている教職員の皆さんに心から敬意を表します。

 先が見通せない中、学生の皆さんが不安や戸惑いを感じていることはよく理解しています。キャンパスで友達に会えず、遠隔授業を受け続けると、孤独を感じると思います。工学部の各学科では、担任やチューターのようなメンタリング制度を整えています。この仕組みを補強し、様々なケアを進めます。また、就職活動も影響を受けています。私たちが持つネットワークを最大限に活用して、就職活動を支援します。皆さんが不安を感じるとき、多くの教職員が全力で皆さんを支えようとしていることを忘れないでください。工学部進学者ための資料を懸命に整えている事務職員、学生実験を遠隔でできるように機器を鋭意準備している技術職員がいることを思い浮かべてください。非常時に滞りなく職務を遂行するのは、並大抵のことではありません。学生の皆さん、教職員と共に前に進み続けましょう。

 工学は、これまでも多くの困難な問題を解決してきました。特に、災害や事故を無くし、安心して暮らせる社会を作り出すことは、工学の重要な課題です。いま私たちの生活は、ウイルス感染症による危機に直面しています。ウイルスの脅威と戦うためには、医学や薬学の知に加え、デジタル革新を推進して、工学の知も総動員する必要があります。例えば、ウイルスの危険を察知して感染リスクを低減する技術、自然災害だけでなくウイルス感染症にもレジリエントなまちづくり、全自動物流などリモート社会に対応したインフラの実現も工学の挑戦です。

 経済のグローバル化と社会の高齢化が進む中、世界中で複雑な問題が同時に発生し、想像を超えるスピードで状況が変化していきます。激しい変化の中で社会の分断が進むと、取り残されてしまうのは決まって弱者です。弱者が取り残されることなく皆が安心して暮らせるインクルーシブ社会を実現するために、グローバルコモンズをどう守り育てていくのか。工学は、この問題に正面から向き合う必要があります。

 社会の混乱が増す中、努力を惜しまずに職務を全うしている教職員の皆さんと共に働くことを私は誇りに思います。そして、教職員とともに困難を乗り越えようとする学生の皆さんを頼もしく思います。どんな状況でもベストを尽くして工学の知をつくり続けることは、私たちの使命です。構成員の皆さん、是非アイディアをお寄せください。全員一丸となって、今できる最高の工学の知をつくり出そうではありませんか。皆さんのご理解とご協力をお願いします。