プレスリリース

X線レーザーの集光強度を100倍以上向上 - 4枚の超高精度ミラーを駆使し50ナノメートル集光に成功 - : 精密工学専攻 三村秀和准教授

 

  強力なX線レーザーを発生させるX線自由電子レーザー(XFEL: X-ray Free Electron Laser)施設SACLAでは、生きた細胞の内部構造など、これまで観察が不可能であったものが観察できるようになりました。こうした研究では、物質に照射されるX線レーザーの強度が鍵を握り、強ければ強いほど新たな情報が得られます。
  東京大学大学院工学系研究科の三村秀和准教授と大阪大学大学院工学研究科の山内和人教授らは、公益財団法人高輝度光科学研究センター、及び独立行政法人理化学研究所と共同で、SACLAにおいて、世界で初めて集光強度1020W/cm2のX線レーザービームを確認しました。X線レーザーの高精度波面計測、高精度ミラー姿勢制御装置を導入することで、4枚の超高精度ミラーから構成された複雑なシステムを開発しました。そして、30ナノメートル(縦)×55ナノメートル(横)のサイズに集光し、1020W/cm2という、 従来に比べて100倍以上に集光強度を向上させることに成功しました。今回実現した1020W/cm2X線レーザーにより宇宙物理、高エネルギー物理や量子光学などの基礎物理分野において、未だ観察されていないさまざまな物理現象の発見が期待されます。
  

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