プレスリリース

単原子層グラフェン中のシリコン単原子周囲に形成された電場分布の直接観察に成功 〜化学結合の可視化に向けた先進電子顕微鏡法〜

 

 東京大学大学院工学系研究科附属総合研究機構の石川亮 助教、柴田直哉 教授、幾原雄一 教授らの研究グループは、最先端の走査透過型電子顕微鏡と分割型検出器を駆使することにより、グラフェン中に形成された点欠陥であるシリコン単原子が配位環境に伴う異方的な局所電場変化の観察に初めて成功しました。近年、急速に発展しつつある原子分解能電子顕微鏡法は単原子の電場分布さえも可視化ができるようになりましたが、本研究では、これをさらに発展させ、原子間に形成される電場分布を観察することで、シリコン単原子と周囲の炭素原子間に形成される結合異方性の直接観察が実現しました。本研究成果は、2018年9月24日(英国時間)に「Nature Communications」で公開されました。

 本研究成果は日本電子株式会社、豪州モナッシュ大学との共同研究による成果であり、科学研究費補助金である挑戦的研究(萌芽)、基盤研究(A)、特別推進研究【原子・イオンダイナミックスの超高分解能直接観察に基づく新材料創成】およびJST研究成果展開事業【先端計測分析技術・機器開発プログラム】の助成を受けて実施されました。

 

 

プレスリリース本文:PDFファイル

Nature Communications : https://www.nature.com/articles/s41467-018-06387-8