トピックス

2019.08.09

【若手研究者紹介:026】エネルギー・資源フロンティアセンター 西林・中島研究室 中島一成准教授

 

経歴
2008年3月 東京大学大工学部化学生命工学科卒業
2010年3月 東京大学大学院工学系研究科化学生命工学専攻修了
2013年3月 東京大学大学院工学系研究科化学生命工学専攻修了・博士(工学)
2013年4月 東京大学大学院工学系研究科総合研究機構 助教
2017年4月 東京大学大学院工学系研究科エネルギー・資源フロンティアセンター 助教
2018年7月 東京大学大学院工学系研究科エネルギー・資源フロンティアセンター 准教授

<研究について>
エネルギーの取り扱いは人類にとっての重要な課題であり、多角的なアプローチが必要です。その中で私たちは、再生可能エネルギーなどを化合物の形で貯蔵・運搬することのできるエネルギーキャリアに注目しています。エネルギーキャリアの候補となる化合物はいくつかありますが、アンモニアは炭素を含まず、使用したときに水と窒素のみを排出するなどの利点をもち、有力な候補といえます。
このような背景のもと、私はアンモニアからエネルギーを取り出し、窒素へと変換する触媒反応系の開発を行っています。最近、ピリジン系配位子をもつルテニウム錯体を触媒として、アンモニアを酸化剤と塩基を用いて処理することで、窒素を生成する反応系の開発に成功しました[文献1]。この反応では、アンモニアが窒素へと酸化される際に電子が放出されますが、これを外部に取り出すことで、アンモニアを燃料とする燃料電池などに応用することが可能です。
すなわち、大気中の窒素からアンモニアを合成し、アンモニアを燃料として電気エネルギーを得るというようなことが可能になります。このようにアンモニアをエネルギーキャリアとして利用するための、重要な触媒反応系の開発を行っています。

[文献1] K. Nakajima, H. Toda, K. Sakata, Y. Nishibayashi Nat. Chem. 2019, 11, 702.

<今後の抱負>
私はこれまで、遷移金属触媒を用いた反応開発を中心として、アンモニア関連化学だけでなく、含リンヘテロ環の合成や、光触媒を用いた含窒素化合物の変換など、様々な反応系を開発してきました。これからも、広い視野をもち、新しいフィールドに積極的に挑戦していきたいです。

研究室:http://park.itc.u-tokyo.ac.jp/nishiba/

プレスリリース:
https://www.t.u-tokyo.ac.jp/soe/press/setnws_201907251101484135182640.html
https://www.t.u-tokyo.ac.jp/soe/press/setnws_201904251057246383830380.html

Nature Research Chemistry Community:
https://chemistrycommunity.nature.com/users/265564-yoshiaki-nishibayashi/posts/51239-for-nature-research-chemistry-communit