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2018.10.22

【若手研究者紹介:010】システム創成学専攻 佐藤・小林・合田研究室 合田 隆准教授

経歴
2007.3: 東京大学工学部システム創成学科卒業
2009.3: 東京大学大学院工学系研究科地球システム工学専攻修士課程修了
2012.3: 東京大学大学院工学系研究科システム創成学専攻博士課程修了
2010.4-2012.3: 日本学術振興会特別研究員DC
2012.4-2013.12: 日本学術振興会特別研究員PD
2014.1-2015.2: 東京大学大学院工学系研究科寄附講座 特任助教
2015.3-2017.3: 東京大学大学院工学系研究科エネルギー・資源フロンティアセンター 助教
2017.4-: 東京大学大学院工学系研究科システム創成学専攻 准教授

<研究について>
自然現象にせよ経済活動にせよ、決定的に将来が予測できない確率的事象は山ほどあります。それらの不確実性を如何に定量評価し、意思決定の合理化やシステムの最適化に結び付けられるかについて研究しています。不確実性定量評価については、古典的には「多数の可能なシナリオを独立かつランダムに生成して、得られる出力列の統計量を評価する」モンテカルロ法と呼ばれる確率的シミュレーション手法が用いられてきました。汎用的である一方、計算効率は必ずしも高いとは言えず、これにとって代わるアプローチとして準モンテカルロ法やマルチレベルモンテカルロ法と呼ばれる手法に着目し、その理論的側面や具体的なアルゴリズムの構成、工学的応用について幅広く研究を進めています(例えば、[1, 2])。更に、何かしらの追加情報・データの取得によって不確実性が減らせるとして、それによる意思決定の合理化の度合いを評価することで、追加情報・データの費用対効果を事前に測る、という研究にも取り組んでいます。特にmedical decision makingという分野においてそのような評価手法のニーズがあるものの、当該分野で開発されているアルゴリズムは計算効率が悪いものや、厳密には数学的保証がないものばかりでした。最近、オックスフォード大学Michael Giles教授との共同研究によって、理論的には最適な計算効率を達成するようなアルゴリズムの構成に成功し、実装上でも非常に効率的な評価ができることを示しました[3]。

[1] G. & Dick, Found. Comput. Math., 15 (2015), 1245-1278.
[2] G., Suzuki & Yoshiki, Found. Comput. Math., 18 (2018), 433-458.
[3] Giles & G., Stat. Comput., doi.org/10.1007/s11222-018-9835-1

<今後の抱負>
これまでに自身で開発してきた不確実性評価アルゴリズムについて、更なる計算効率の改善を図りつつ、汎用化・一般化という軸でも研究を推し進めたいと考えています。それと同時に、様々な現実の問題に応用されるよう、専門家以外にも使いやすい形でのアルゴリズムの提供やアウトリーチに努めていきたいと思います。

参考URL:https://sites.google.com/site/takashigoda/home