プレスリリース

2019.11.22

全固体リチウム電池を応用した情報メモリ素子を開発 -超低消費エネルギー化と多値記録化に初めて成功、省エネルギーコンピューティングに向けた大きな一歩- : マテリアル工学専攻 渡邉 聡教授ら

東京工業大学 物質理工学院 応用化学系の一杉太郎教授、清水亮太助教、渡邊佑紀大学院生(修士課程2年)らは、東京大学 大学院工学系研究科 マテリアル工学専攻の渡邉聡教授らと共同で、全固体リチウム電池と類似した薄膜積層構造を持ち、超低消費エネルギーと多値記録を特徴とするメモリ素子の開発に成功しました。

コンピュータの利用拡大とともにエネルギー消費量は増大し続けており、半導体素子の消費エネルギー低減は喫緊の課題です。研究グループは、全固体リチウム電池の構造と動作メカニズムに注目し、情報を電圧として記憶する低消費エネルギーの電圧記録型メモリ素子の開発に取り組みました。

本研究では、ニッケルを電極として用いた、全固体リチウム電池と同じ構造のメモリ素子を作製しました。その結果、消費エネルギーの低減に加えて、3種類の異なる電圧を記憶する3値記録メモリとしての動作を実現しました。これらの特徴は、界面に自発的に生成した極薄の酸化ニッケル膜とリチウムイオンの多段階反応によるものです。この成果は、超低消費エネルギーメモリ素子の実用化に向けた重要な指針となるだけでなく、固体内におけるリチウムイオン移動についての理論構築にもつながります。

本研究成果は11月20日(米国時間)に米国化学会誌「ACS Applied Materials and Interfaces」オンライン版に掲載されました。

プレスリリース本文:/shared/press/data/setnws_201911221054321557502229_851710.pdf

ACS Applied Materials and Interfaces : https://pubs.acs.org/doi/10.1021/acsami.9b15366

東京工業大学 : https://www.titech.ac.jp/news/2019/045667.html