東大工学部 進学選択ガイダンス - 物性

目次

物性

機械工学科

物性とは物質の力学的,熱的,電気的,光学的性質であり,モノづくりの根幹となる知識です。特に,加工・設計・製造との関連を意識して学ぶことによって,開発現場で強力な武器になります。機械工学科では,材料そのものの物性を分子・量子のレベルから理解するとともに,演習で実際にモノに触りながら加工・設計・製造を経験することによって「物性に対する感覚」を養うことができます。また,卒業論文では,物性に関連して,燃料電池や生体内に見られる微小空間での熱流動,軸受や固体接触における摩擦現象,デバイスの信頼性に影響する材料強度,機器の熱設計を決定する伝熱,発電やセンシング技術に関わるエネルギー変換などの幅広い領域で,最先端の研究を行っています。

 

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航空宇宙工学科

航空機、宇宙機、あるいはその推進器は、超高温、極低温、無重力、高真空、宇宙プラズマ、超高速といった、地上では想定されない苛酷環境に曝されます。
本学科は、こうした極限環境においても高い信頼性や長寿命を有する装置・デバイス、極限的な物性を有する素材やその構造様式、極限環境下で作動する推進器などの研究を通して、これまでにないものの創造を追求し、フロンティアを切り開くことを目指します。

 

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電気電子工学科

電気電子工学・情報工学を根底から支える材料と物性を学びます。ここで学ぶ材料や物性とは、半導体をはじめ金属、誘電体、磁性体、有機・バイオ材料およびそれらの複合構造やナノ構造などの性質です。これらの材料が示す物性や機能は、エレクトロニクス、情報、通信、エネルギー、環境、バイオ、宇宙技術など、様々な分野におけるデバイスやシステムに利用されており、現代の科学技術体系の根幹の1つを体得することになります。
新しい材料や物性機能の実現は社会を変える技術革新をもたらします。卒論で所属する各研究室では、応用技術とともに知的好奇心に根ざした探索的なサイエンスの視点も大切にしつつ、最先端の研究開発を行っています。

 

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物理工学科

物性とは、物質の性質を解明・予測する物理学のひとつの学問分野であり、20世紀のテクノロジーと人類の生活を支えてきました。たとえば、電子デバイスと情報処理に依存している私たちの現在の生活は、20世紀初頭の量子力学の発見、その後の固体物理学の勃興、さらには半導体科学と工学の進展、が支えてきました。
物理工学科は明治34年に開設された力学講座に端を発しており、本邦における量子力学の進展の中心に位置してきました。21世紀の科学と工学のフロンティアを形成するためには、基礎に立ち返った物性科学の発展が不可欠です。物理工学科はその研究活動の世界的拠点です。

 

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計数工学科

科学技術の基幹たる「普遍的な原理・方法論」を目指して! これが計数工学科の目指すところです。この「普遍的な原理・方法論」の研究は、個別の分野の研究と不可分の関係にあり、計数工学科では、「普遍的な原理・方法論」の研究とともに、様々な分野の研究が行われています。
「物性」に関係するものとしては、例えば、超伝導現象・パターン形成などさまざまな物理現象の数値シミュレーション技術の開発、物理特性を最大限利用した計測・制御技術やデバイス(磁気光学映像法、高速可変焦点レンズ、MEMS音響センサ、Fishbone音響センサ等)の開発などがあります。学科のカリキュラムでは、講義で「普遍的な原理・方法論」の基礎を身につけ、卒業研究を通して、原理・方法論を発展させたり、実際的問題の解決に取り組みます。

 

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マテリアル工学科

あらゆる分野で必要とされている高機能デバイスの鍵となる、ナノメータースケールで制御されたナノマテリアルについて学ぶコースです。原子・分子レベルで高度に設計されたナノマテリアルの知識は、燃料電池や太陽電池のようなデバイスを実現する上で不可欠です。キーマテリアルとなる半導体や金属、セラミックス、有機材料などはすべて、マテリアルC(ナノ・機能マテリアル)コースで学ぶ知識なしには生み出せません。マテリアル工学は、物質文明の基礎となるマテリアル全般を研究対象とした、すべての工学の基礎となる分野です。私たちは、学際的な広い視点から人間社会全般の幸福に寄与できる人材の育成を目指しています。
マテリアル工学科の他の2コースと連携して、幅広い見識を養うための教育を実践し、最先端の研究を進めています。

 

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化学システム工学科

化学システム工学科では分子から地球に至る各スケールでの化学現象の解析・制御と、それら構成要素のシステム化・設計に重点を置く、化学システム工学の方法論を身につけることができます。
本学科では、エネルギー、環境、材料、バイオ、医療等、幅広い分野を対象としており、ある物質の物性と共に実際におかれる反応場等の環境の影響を取り扱うことが特徴です。講義および実験を通して、流体・固体が有する諸物性について理解を深め、それらにより影響される物質移動・伝熱等の現象を評価することを学びます。さらに研究室では、流体の吸着挙動、分子認識、光・電気 化学的特性などの様々な物性を積極的に応用することや、それらを数理モデル化し、評価することで新たな材料設計指針を提案することを行っています。

 

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