東大工学部 進学選択ガイダンス - デザイン・設計・計画

目次

デザイン・設計・計画

社会基盤学科

社会基盤におけるデザイン・設計・計画の対象は、個々の施設・公共空間から社会制度まで広範です。そこに共通するのは、人々の毎日の日常生活と、数 十年に 一度の非常時(大規模な自然災害や事故)に、同時に向き合っていることです。社会基盤学が主に対象とする都市空間(街路や公園)、交通基盤(鉄道や道路)、水辺環境(河川や海岸)には、いずれも日々の生活を豊かにする機能性や快適さ、美しさが求められると同時に、いざというときに市民の命を護る強靭さが必須です。これら一見相反する要求を一定の構造物や空間やシステムにまとめあげ、都市や国土の風景の骨格をつくっていくことが、他分野と異なる社会基盤のデザイン・設計・計画の特徴です。

 

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建築学科

建築学科では、建築を作るための技術を学ぶ。しかし技術だけではよい建築を作ることはできない。美しい建築、豊かな環境を生み出すには、適切な課題を発見し、必要な技術を組み合わせ、様々な条件に対応する、目的に適った構想をまとめてゆかねばならない。デザインとは、一つの建築の姿を求め展開するこうした総合する行為のことをいう。
デザインの実習は2年後期にはじまる「設計製図」で行われ、密度高い個別指導が受けられる。「卒業設計」はデザインの学習の総仕上げである。「設計製図」がデザインの実践的演習とするなら、デザインの理論を学習する場が4年に開講する「建築意匠」である。他に関連分野のデザイン演習として3、4年次に「造型基礎」が用意されている。

 

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都市工学科

都市を構想するためには,多様なスケールで考える訓練が必要です。公園のベンチや駅,学校や住宅などの都市を構成する要素にはじまり,歩き回る程度のスケール,都市全体,広域圏,地球環境全体に至るまで,様々な空間の大きさを同時に考えなければいけません。また,現在の状況を丁寧に把握するだけでなく,未来を見据える方法も重要です。豊かな未来を描くためには,過去の蓄積,すなわち都市の文化も学ばなければいけません。
都市工学科では,2年後期から4年前期までの演習で,空間と時間の様々なスケールを理解し,関連させ,調和させる技術を身につけます。そうした技術を実際に適用していくプロセスにおいて,コミュニティや自治体の関与,法制度のあり方までを統合して構想する,都市のデザイン・設計・計画について学びます。

 

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機械工学科

機械工学科では,ハードウェア,ソフトウェア,そして人の認知や行動を総合的にデザインできる人材の育成を目指しています。機械工学科が取り組んでいる対象は,皆さんがイメージする典型的な機械だけでなく,ナノスケールのデバイス,環境・エネルギーシステム,医療機器,生活支援など多岐に渡ります。これらを創造するためには,知識を統合して新たな価値を生み出すものづくりの計画,すなわち設計が不可欠です。設計する力を身につけるには,知識の入力だけでなく,実践の場で知識を出力し価値を創造する経験が必要です。そのために,機械工学科では設計に関する講義に加えて,座学で学ぶ知識を活用し自ら発想してものを作り出す創造演習に力を入れています。さらに,人の認知や行動の設計として,人にとって安全で,使いやすく,五感・感性に訴える魅力的なプロダクトを創造するためのデザインに関する教育,研究に取り組んでいます。

 

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航空宇宙工学科

航空宇宙工学の進歩は人類の活動や知識の限界を拡げることに直接貢献してきました。その一方で、近年、航空宇宙技術の進歩は輸送だけでなく、通信、測位、地球観測などの技術と融合することで、人々の日常生活にも密接に関係するようになっています。実際、航空宇宙工学は様々な専門分野から成り立っていますが、航空機・宇宙機・人工衛星・推進機関といった先端的ハードウエアを設計し、実現させるためには、各分野における先端技術の開発はもちろん、それらを横断的に統合して調和させる能力が求められます。
このような認識に立ち、本専攻では、
(1)未開拓の技術課題や学問領域に挑む姿勢
(2)既存知識や最先端技術を理解し使いこなす知性
(3)異分野の様々な技術を統合して価値を作りだせる能力
(4)大空や宇宙を開拓することへの情熱
を備えた人材の育成、すなわち、『システム統合化能力の育成』を柱とする教育を大切に実践することで、航空宇宙工学分野および関連する科学技術分野の発展に貢献することを努めています。

 

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精密工学科

君は就職活動を計画できるか?企業の強み研究、自己特徴のアピール、世界経済の情勢、すべてのことを考慮して君は行動する。手順を最適化し、効果を最大にする。これが計画であり、大学では設計として学習する。
論理的思考で君の人生を設計したいなら、精密工学科に来たれ。精密工学科は、ナノ・マイクロ技術を使ってセンサ、モータを構成し、それらをネットワークで結合し、我々が利用するサービスを創出する。このような新しい時代に適う設計を体験しなければ、競争的なグローバル社会に君の能力は通用しない。
精密工学科は、CAD開発の先頭に立ち、一般設計学を提唱し、サービス工学を立ち上げ、常に、時代を切り開く力の根本として、設計を重視して教育している。

 

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電子情報工学科

電子情報技術は,我々の日常生活を根底から新しい次元に導く変革力を有しています。社会と強く結びついた実用的な技術を生み出す背景には,装置やソフトウェアそのものだけでなく,人々の営みをデザインするセンスが必要です。例えば,安心安全のデザイン。もはや高速高機能の追求だけでなく,安心して電子情報技術を駆使して安全に暮らせる仕組みのデザインが不可欠です。また,人々にとって直感的に使い易い便利なメディアを創造するためには,インタラクションデザインが重要な意味を持ってきます。さらには,商業的プロダクトからメディアアートに至るまで,感性的デザインは社会的に極めて大きな訴求力を有しています。電子情報工学科では,我々の生活に浸透するデザインについて学びます。

 

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電気電子工学科/電子情報工学科

おおよそ社会に関わる全ての「もの」「こと」は、それを導く「原理・原則」の上に、しっかりした「デザイン」を施すことで、はじめてその能力を発揮します。例えば携帯電話などの心臓部で馴染みの集積回路は、トランジスタとよばれるスイッチ素子の組み合わせで動作しますが、3年で4倍の爆発的成長の結果、現在10億素子に迫る勢いです。この膨大な数の組み合わせの良し悪しによって、賢い、賢くない装置、ひいては競争力の差が生まれるのです。
電子・情報系では、原子の配列・集積回路・微小電気機械から未来の電力系統・地球環境に至る幅広い分野を押さえ、「そこに潜む原理の探求」と、「最適な結果をもたらす設計手法」を系統的に学びます。

 

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計数工学科

科学技術の基幹たる「普遍的な原理・方法論」を目指して! これが計数工学科の目指すところです。この「普遍的な原理・方法論」の研究は、個別の分野の研究と不可分の関係にあり、計数工学科では、「普遍的な原理・方法論」の研究とともに、様々な分野の研究が行われています。
「デザイン・設計・計画」に関係するものとしては、例えば、最適化理論とアルゴリズムの開発,数理計画法,実験計画法、モデリング、システム同定、逆問題、予測手法、最適・ロバスト制御、システムインテグレーション手法の研究などが行われています。
学科のカリキュラムでは、講義で「普遍的な原理・方法論」の基礎を身につけ、卒業研究を通して、原理・方法論を発展させたり、実際的問題の解決に取り組みます。

 

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化学システム工学科

化学システム工学科では分子から地球に至る各スケールでの化学現象の解析・制御と、それら構成要素のシステム化・設計に重点を置く、化学システム工学の方法論を身につけることができます。
最適な化学システムの設計は一つ一つの構成要素や要素技術の最適化によって実現できるとは限りません。例えば高機能材料設計においては、分子レベル・マクロレベルの構造情報、制御情報、環境への寄与および物質の安全性など、化学の様々な情報を総合的に評価する必要があります。本学科は「分子から地球まで」という化学システム工学的視点に基づき、地球環境問題やエネルギー問題などを解決できるシステムの設計を、化学を基礎として行っています。

 

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システム創成学科

新材料や工業製品などのモノ、企業や社会システムなどで営まれるサービスなどのコトなどがデザイン・計画・設計され、豊かな社会が構築されてきました。しかしながら、環境・エネルギー問題や食料問題など、現代社会が解決すべき問題は複合問題となり、デザイン・計画・設計すべき対象のモノ/コトは複雑システムとなっています。このような状況では、デザイン・計画・設計を実行する能力を高度化し、複雑システムに対する問題解決能力を高める必要があります。
システム創成学科は、極めて広い視野を持ち、分析的にかつ総合的に複雑システムを計画・設計することができる「創成力」を涵養する教育を重視し、知能と情報を駆使した新しい社会を創成できる人材を育成します。

 

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