見学情報

工学部訪問記:2003年8月 愛知県立岡崎高校(愛知県 スーパーサイエンススクール選定校)

1. 研究室体験の受け入れ研究室

  1. 工学部 航空宇宙工学科 鈴木真二先生
    8/4(月)〜8/8(金) 生徒2名
  1. 工学部 産業機械工学科 草加浩平先生
    8/22(金)〜8/26(火) 生徒2名
  1. 工学部 電子情報工学科 古関隆章先生
    8/4(月)〜8/8(金) 生徒2名

2. 研究室での活動と生徒の感想

上記(1)〜(3)の研究室に、生徒6名を受け入れました。おのおのの研究室での活動内容は以下の通りです。

(1) 東京大学工学部 航空宇宙工学科 鈴木真二教授
配属生徒 山下達也、松田愛
テーマ ペットボトルロケットの打ち上げに関する研究
内容 ペットボトルロケットの飛行について、実験とパソコンによるシミュレーションによって解析した。始めにロケット推進の理論を教授、講師、大学院生から学んだ。次にパソコンでペットボトルロケットの運動を模擬するソフトを利用してシミュレーションを行った。その後、水の量、打ち上げ角度、空気圧などを変えて、ペットボトルロケットの打ち上げ実験を行いデータを測定した。シミュレーションの結果と実験の測定結果を比較し、その違いについて考察した。最終日は研究室のメンバーの前で研究発表を行った。
(2) 東京大学工学部 産業機械工学科 草加浩平教授
配属生徒 松嶋洋、松野里美
テーマ ものづくり・機械加工実習と見学
内容 三次元CADによる設計の基本を学び、傘立てを設計した。設計した傘立てを鉄パイプとアルミ板を加工し製作した。生徒自身が施盤による切削、フライス盤による穴あけ、炭酸ガスアーク溶接を行った。加工時の安全教育にも十分時間が割かれた。また、工作機械や遠心分離機を生産している日立工機を訪れ、ものづくりの設計、製作現場を見学し、日常使っている工場製品が生産されるまでには多くの人の手を経ていることを学んだ。
(3) 東京大学工学部 電子情報工学科 古関隆章助教授
配属生徒 近藤宏樹、柴田尚人
テーマ 車両の電気・機械系ダイナミクスの解析の基礎
内容 電気回路の基礎である、微分方程式についての講義を古関助教授、大学院生から受け、過渡現象についての理論を理解した。その理論を基に電気回路のシミュレーションと基礎実験を行い、理論値との相違を考察した。さらに、慣性系の制御に関する実験、磁気浮上に関する実験を行い、電気回路による制御に対する理解を深めた。山梨リニア実験線の見学、試乗も行い実用化を目指す最先端の電気電子制御の研究について体験し、研究に対する意欲を高めた。

参加された高校生からは、「日頃経験できない研究ができ、とても興味深い研究ができた。」という感想をいただいております。受け入れた6名の生徒によるレポートを末尾に添付しておきます。

3. 受け入れ教員からのコメント

鈴木真二(航空宇宙工学科)

参加された学生さんは大変熱心に活動され、その後も連絡があります。これからも希望される学生さんがいれば喜んで受け入れたいと思います。

古関隆章(電子情報学科)

岡崎高校が名古屋大学などの協力を得ながら非常に意欲的な理系教育への取り組みをしていることを昨年の一連の実習サポートを通じて知り、高校の先生方と話し合う中で肌で感じることができたのは、理系の一教員として個人的に非常に良い刺激になりました。また、まじめなやる気のある生徒が来るというのは、研究室に在学中の卒論生、院生に対しても、「初心に帰る」という意味で、緊張感を与えることであったと思います。ただし、当然のことながら受け入れる生徒の数学や物理の基礎学力、知識は大学のレベルから見て十分なものではないので、1週間の間に研究の本当に面白いところに触れてもらうというのはなかなか難しく、むしろ大学1,2年の基礎科目の内容を、例を非常にわかりやすい例題に限定する中で何とか理解してもらったという感じでした。また、レポーティングなど文書のまとめ方や英語の書き方といった、本来研究そのものの中身とは直接関係しない基礎的指導に、結果的に力を注いだ感じになりました。

昨年度は、偶然、東海旅客鉄道株式会社の格別のご好意により、山梨リニアに試乗してもらえるというおまけがついたので生徒たちにはとても喜んでもらえましたが、毎年そのような特別な企画を研究室レベルで準備することはなかなか大変だとも思います。

大学としてこのことに積極的に関与する意味は、単に岡崎高校に協力するということのみならず、大学自身にとって、卒論生や院生の<研究指導者の卵としての教育に刺激を与える>という観点からも、また工学部として低学年の理系教育に熱意と関心を持っているということを、対外的に具体例を持って示すという点でも大いにあると思います。


【写真】リニアモーターカーに試乗した高校生

古関隆章(電子情報学科)

当方でお預かりした2名の学生は一生懸命課題に取り組んでくれました。彼らからもその後何度か連絡があり、ありがたいことにそのうち1名からは、この実習での体験が引き金となり、工学部進学を決めたという連絡をもらいました。当方としても初めての経験で、十分な対応が出来たとは思っておりませんが、今後も、受け入れる機会があれば、喜んでお引き受けいたします。さらに加えると、学生だけでなく、教員の方も何度もお見えになり、このプロジェクトにかける意気込みを感じました。

 

(日本語のみ)