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野村 政宏 准教授が日本学術振興会賞を受賞されました

 

2020年2月18日、電気系工学専攻 野村 政宏准教授が日本学術振興会賞を受賞されました。
この賞は、創造性に富み優れた研究能力を有する若手研究者を見い出し、早い段階から顕彰することで、その研究意欲を高め、研究の発展を支援することにより、我が国の学術研究の水準を世界のトップレベルにおいて発展させることを目的として創設されました。


<受賞された研究・活動について>
授賞対象となった研究課題は「フォノニックナノ構造を用いた熱流制御とその環境発電応用」です。フォトンとフォノンの類似性を切り口とし、光学を手本とした固体中の高度な熱伝導制御によって、伝熱工学に新しい概念と技術を創出しました。ナノ構造を用いて、熱の波動性に基づく干渉を用いた熱伝導制御に成功し、また、本来方向性なく拡散する熱をナノスケールで顕在化する弾道性を利用することで、指向性を持った熱流および集熱が可能になることを提案、実証しました。超スマート社会を支える熱電環境発電への期待から、固体材料における熱伝導の制御技術に大きな注目が寄せられ、「フォノンエンジニアリング」と呼ばれる新たな研究分野が急速な発展を遂げております。本業績は、波動光学と幾何光学における諸概念をフォノンエンジニアリング分野に導入し、革新的な熱流制御技術を創出した点において重要なマイルストーンと位置づけられます。

<今後の抱負・感想等>
大変栄誉ある賞を賜り光栄に存じます。一緒に研究を行ってきて下さった研究室メンバーや共同研究者、ご指導ご支援下さった研究者、本学関係者の皆様のお陰であり、心から感謝申し上げます。本受賞を励みとし、研究活動を楽しみながら、より一層深い学術研究と社会に貢献する応用研究ができるよう努めて参ります。