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Jie Qi特任助教の研究成果がニューヨーク近代美術館(MoMA)の永久収蔵品として選定されました

 

2019年10月21日、ニューヨーク近代美術館(通称MoMA)がリニューアルオープンにあわせて、電気系工学専攻のJie Qi特任助教の作品がオープニング展示の作品の一部として展示され、同美術館の永久収蔵作品として選定される運びとなりました。MoMAはピカソやゴッホ、草間彌生や村上隆といった巨匠の作品を多数収容しており、近代美術の世界において最大規模で影響力が最も大きな美術館です。

 

 

<作品内容について>
今回の収蔵作品「Circuit Sticker(回路ステッカー)」は電子回路を作成するための、工学と芸術を融合する新しいメディアです。これらの薄く軽量で、柔軟なステッカー型の回路基板を使うことで、専門知識のない人でもあらゆる世代のクリエイターの人が、紙工作の知識を用いて電気回路を簡単につくることができます。Jie QiとAndrew “bunnie” HuangらはChibitronics社を創業し、Circuit Stickerを製造販売することにより、いまでは同ツールキットは世界中の教員やモノづくり愛好家によって使われる存在になりました。

 

<コメント>
今回のことは私にとって大変名誉なことであり、長年の夢が叶った日でもありました。11年前にMoMAにおいてある展示に触れたことが現在のキャリアパスにつながっています。それまで私は医学を目指していましたが、デザイン、アート、科学、工学が融合した作品を見て、新たな可能性を感じました。今回MoMAを再訪して自分の作品が飾られているのを目の当たりにし、感激しています。この作品が次世代の工学系芸術家、アート系エンジニアの刺激になり、科学や工学、芸術、デザインのディシプリンが分断されることなく、各自の夢を思いのままに追求できるようになることを願っています。
このような形で私の作品が紹介されたことで、私としても研究をさらに継続し、紙のような親しみのあるメディアを回路やプログラミングといった現代的な技術と融合するツールを提供し続け、アートを通じて新技術の有り様を示す例を次々と生み出したいと思っています。
私は技術を皆にとって使いやすいものにすることで、皆がテクノロジーを使うだけでなく、だれでもテクノロジーを作る側になれるような環境を作りたいと思っています。私は、アーティストや工芸に携わる人々、特に、エンジニアになる機会に取り残されがちな女性のためのツールを作り続けていきたいと思います。そのような新たな声や視点を取り込むことにより、技術を発明し、皆の役に立つ技術革新につなげたいと思っています。