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バイオエンジニアリング専攻 大平征史さん(D3)が「学生講演賞」を受賞されました


2022年4月19日、バイオエンジニアリング専攻 大平征史さん(D3)が、日本化学会第102春季年会(2022)において「学生講演賞」を受賞されました。

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日本化学会第102春季年会(2022)学生講演賞
本賞は博士後期課程の学生を対象に発表内容、プレゼンテーション、質疑応答などにおいて優れた講演で、講演者の今後の一層の研究活動発展の可能性を有すると期待されるものに対して贈呈するものです。

受賞された研究・活動について
ハイドロゲルはヨーグルトなどに代表される、柔らかく、流動性を示すことができる材料で、人工硝子体や癒着防止材などの医用材料としても応用されています。本研究ではDNAが作る二重らせん構造の安定性が、DNAの塩基配列に大きく左右されることに着目し、DNA二重らせん構造で架橋された新しいハイドロゲルを合成しました。このゲルのマクロな流動時間を調べたところ、DNA二重らせん構造の解離時間と幅広い時間領域で一致することが判明しました。DNA二重らせん構造の安定性は、塩基配列を設計することで自在に調整できるため、本手法を用いてゲルを合成することで、生理的条件下においても任意の流動性をもつハイドロゲルを合成できることが示唆されます。
本研究による成果は、生体に近い流動性をもつ細胞培養培地や注射可能なゲル材料、さらにはソフトロボティックスなど、医療分野への応用が期待されます。

今後の抱負・感想
この度、このような大変栄誉がある賞をいただき大変光栄に思います。研究室のすべてのメンバー、指導教官の酒井崇匡に心から感謝したいと思います。今後も、ゲル材料の研究を通し、新規医療材料の開発を目指します。

URL
プレスリリース:https://www.t.u-tokyo.ac.jp/press/pr2022-02-17-001