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化学生命工学専攻 金娟秀さんが日本化学会第94春季年会において、学生講演賞を受賞されました

 

化学生命工学専攻の金娟秀さんが日本化学会第94春季年会において、学生講演賞を受賞されました。

 

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<受賞された研究について>

本研究では 、ある一方向において「加熱時に膨潤、冷却時に収縮」する極めて特異なNIPAMヒドロゲルを開発しました。この研究の中途、酸化チタンナノシートの分散液に外部磁場を印加することにより、ナノシートが磁力線に対して一義的に垂直配向することを偶然見いだしました。酸化チタンナノシートの分散液にNIPAMおよび架橋剤を溶解し、磁場印加下にてこれらのアクリルモノマーを系内重合すると、系全体がゲル化する結果、ナノシートの異方的配向は磁場解除の後にも保存されます。 こうして得られたヒドロゲルの体積相転移挙動を調べたところ、加熱(32 ºCより高温へ)の初期段階において、ヒドロゲルはナノシート平面に対し平行方向に収縮するとともに、垂直方向には膨潤することが明らかとなしました。異方的に変形したヒドロゲルを冷却(32 ºCより低温へ)すると、ヒドロゲルは元の形状を回復し、この過程は可逆的に何度でも繰り返すことができます。ここで得られた知見は、NIPAMヒドロゲルの基礎研究・応用研究の両面に一石を投じるものと期待されます。

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<今後の抱負・感想>

この度は学生講演賞を賜ることができ、光栄に思います。今後もこの賞に恥じぬよう邁進してまいります。また熱心にご指導ご鞭撻頂いた相田卓三教授、ならびに研究室のみなさまにこの場を御借りして厚く感謝申し上げます。