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化学システム工学専攻 天野由貴さんが化学工学会第79年会において学生賞銀賞を受賞されました

 

化学システム工学専攻 天野由貴さんが、化学工学会第79年会において学生賞銀賞を受賞されました。学生賞は、年会においてポスター発表を行った全ての学生が選考対象となり、要旨や発表内容の審査を経て受賞者が決定します。

 

 

<受賞された研究について>

金属イオンによって迅速に架橋する、イオン架橋ハイドロゲルの医用材料への応用が注目されています。我々は、分子内に球状の枝分かれ構造を有する樹状ポリエステル(Boltorn®H20, dendritic polyester, DPE)の末端にoligo (ethylene glycol) acrylate(OEGA), acrylic acid(AA)鎖をブロック共重合して得られたDPE-g-OEGA-b-AAが金属イオン添加後、瞬時に架橋しゲルを形成することを報告しました。今回私の研究では、複数のイオン種を用いてDPE-g-OEGA-b-AAとイオンとの相互作用の違いを、蛍光修飾を施したポリマー間の蛍光共鳴エネルギー移動(FRET)測定と錯滴定を用いて架橋構造を検討することで、ゲル化メカニズムの解明を目指しました。その結果、DPE-g-OEGA-b-AAとの錯形成能の高いイオンほど架橋しゲルを形成しやすいために、低いポリマー濃度、イオン濃度でもゲル化を引き起こすのだということが示唆されました。

<今後の抱負・感想>

この度、初めて参加した学会でこのような賞をいただくことができ、大変嬉しく思います。1年前、研究のことを何もわからずに研究室に入った私がこのような賞をいただけたのも、伊藤大知准教授の熱心なご指導、研究室の皆さんからいただいた様々なアドバイスのおかげであり、深く感謝しております。私はこの春大学院に進学し、新たな研究テーマに取り組むこととなりますが、今回の賞を励みにして、今後も研究活動に精進していきたいと思います。