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化学生命工学専攻 山下貴宏さんが化学工学会第79年会において、ポスター学生賞(銅賞)を受賞されました

 

  化学生命工学専攻M2の山下貴宏さんが化学工学会第79回年会で、「ヒンジ領域への変異導入による新規蛋白間相互作用検出系FlimPIAの検出感度向上」で学生賞(銅賞)を受賞されました。

 

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<受賞された研究について>

ヒト細胞内には、15~30万種類のタンパク質間相互作用が存在するといわれています。これらの時間的・空間的な変化やその制御機構の理解は、生命現象の解明に不可欠であるのみならず、疾患治療薬の開発などの応用研究開発を進める上でも極めて重要です。以前、我々はホタルルシフェラーゼの2段階の触媒反応を利用した新規蛋白質間相互作用検出系FlimPIA(Firefly luminescent intermediate-based Protein Interaction Assay)法を報告しました。今回、私の研究では現状のFlimPIA法の課題である、Signal / Background比(S/B比)を向上させるべく、ホタルルシフェラーゼの2段階反応時の立体構造変化に重要であると考えられるN-C間ヒンジ領域残基に、新規変異を導入することにより、バックグラウンド発光値の低減を検討しました。その結果、S/B比は従来の約2.5倍から最大70倍へと顕著に増大しました。

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<今後の抱負・感想>

今回、私にとって学生最後の学会にてこのような賞を頂くことができ非常に嬉しく思います。また、これから研究者として企業で働く大きな自信と励みにもなりました。今回の賞をこれからの自分へのエールと受け止め、今後もより一層の努力を積み重ね、実社会に成果として還元していきたいと思います。これまで、懇切丁寧な指導を頂いた上田宏教授をはじめ、充実した研究生活を共有できた研究室メンバーに深く感謝申し上げます。