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染谷工学部長「工学部は、対面教育を重視」2021年4月1・2日

 

 

工学部長の染谷隆夫です。工学部・新3年生のみなさん、進級おめでとうございます。そして、本郷キャンパスへようこそ!工学部を代表して、みなさんを歓迎します。

申し上げるまでもなく、昨年度は、感染症の影響によって、大学での学びが様変わりしました。突然、すべての講義がオンラインになり、みなさんも戸惑ったことでしょう。講義室で友達と会えず、キャンパスで課外活動ができないなど、さぞや辛い時間を過ごしてきたことと思います。

この4月からは、そのような状況とは異なり、大学は自分たちの新しい学びの形を選択することになります。みなさんも経験したように、対面とオンラインの教育には、それぞれの良さがあります。専門性にあわせて、教育効果が最大となるように、ベスト・ミックスを模索します。ベストな解は、教員だけが一方的に考えても見つかりません。みなさん、試行錯誤を繰り返しながら、一緒に世界最高の工学の学びを作り上げていこうではありませんか。

新しい学びを模索する中、工学部は対面を重視します。その理由は、工学は真理の探究にとどまらず、社会課題の解決にまで挑戦するための学問体系だからです。オンラインで机上の理論を学ぶだけでは、実社会の課題を実感できません。人々のくらしが困難な状況にあるいまこそ、社会の傷みを我が事として受け止め、その解決に向けて工学ができることは何か、みなさん一人一人に考えていただきたいと思います。

工学が取り組むべき社会課題は山積しています。感染症対策に加えて、社会の高齢化、気候変動による自然災害の大規模化への対応、そして脱炭素社会の実現などです。これらの難題に立ち向かうためには、基礎科学力の強化は言うに及ばず、工学の枠を超えて、大学の総合知を活用する必要があります。

これから本郷で本格的な専門教育が始まります。専門を深めていくと同時に、自分の専門を超えて、人と人、分野と分野をつなぐ力を身に着けて下さい。多様な価値観と専門性を有する人々の意見に耳を傾け、広く社会に目を向けて下さい。そして、ともに力を合わせ、未来を作る夢の技術を生み出し、より良い社会を実現していこうではありませんか。みなさんの学生生活が、より充実したものとなるように教職員一同、全力でサポートしていきます。

最後に、みなさん、工学の世界へようこそ!そして、みなさんを仲間として、心から歓迎します。

 


【参考記事】日刊工業新聞・社説(学外へのリンク) 
工学部の新3年生向けのガイダンスと対面教育を重視する姿勢が、日刊工業新聞の社説で紹介されました。https://www.nikkan.co.jp/articles/view/592397

 

ガイダンスで挨拶をする染谷工学部長