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化学生命工学専攻 安田 妃那さん(M2)が第65回有機金属化学討論会においてポスター賞を受賞されました

 

2018年10月10日、化学生命工学専攻 安田 妃那さん(M2)が、第65回有機金属化学討論会においてポスター賞を受賞されました。
この賞は、大学院学生あるいは30歳以下の企業研究者が発表者であるポスター発表134件の中で、高い評価を得た研究発表16件に対して贈呈されました。


<受賞された研究・活動について>
【発表題目】パラジウム/メチレン架橋BPMO錯体:合成とエチレン/極性モノマー配位共重合への応用



ポリエチレンは容器や包装用フィルムなど様々な用途に利用される汎用性の高いプラスチックですが、染色性・接着性といった親水性の機能には劣ります。この欠点を解決するために親水性の極性官能基が導入されたポリエチレン、すなわち「極性官能基化ポリエチレン」を合成する必要があり、その有望な手法としてパラジウム触媒やニッケル触媒によるエチレンと極性モノマーの配位共重合が大きな注目を集めています。しかし、従来の触媒性能は実用化には及ばず、さらなる高性能触媒が望まれています。
本研究では、高性能触媒の開発を指向して、メチレン骨格をもつパラジウム/ビスホスフィンモノオキシド(BPMO)触媒を開発しました。このパラジウム触媒は、従来の触媒よりも極性モノマーの取り込み効率が高いことが分かりました。酢酸ビニルやアクリロニトリル、酢酸アリル、メタクリル酸メチルなどのさまざまな極性モノマーの取り込みに成功し、様々な「極性官能基化ポリエチレン」を高効率で得ることができました。

<今後の抱負・感想>
有機金属化学討論会にて賞を頂戴し、大変光栄に思います。この受賞を励みに、今後も研究に邁進してまいります。研究のご指導を賜りました野崎京子教授をはじめ、野崎研究室・共同研究企業の皆様にこの場を借りて厚く御礼申し上げます。