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化学生命工学専攻 中野 遼さんが日本化学会 第95春季年会にて学生講演賞を受賞されました

 

化学生命工学専攻の中野遼さんが、日本化学会第95回春期年会に於いて学生講演賞を受賞されました。この賞は日本化学会の年会において優れた口頭発表を行った博士課程の学生に贈られるものです。

 

 

<受賞された研究について>

後周期遷移金属触媒を用いたオレフィンと極性モノマーの共重合反応は、構造が制御された官能基化ポリオレフィンを得る合成法として近年注目を集めています。しかし、この二十年に大きく発展したエチレンと極性モノマーの共重合に対し、プロピレンと極性モノマーの共重合は依然困難な反応として知られています。本研究では、カルベン部位を導入した二座配位子を新たに設計し、パラジウム中心と組み合わせることでプロピレンと極性モノマーの共重合を初めて達成することができました。これまでカルベン部位を有する触媒は安定性の問題から重合反応に向かないとされてきました。本研究ではカルベン部位を固定化するというアイデアによって錯体の安定性を大幅に改善することができ、電子供与性や立体制御というカルベン配位部位の機能をプロピレン重合へ生かすことができました。

 

<今後の抱負・感想>

このような賞をいただき光栄に思います。研究を遂行するにあたり、ご指導いただいた野崎京子教授をはじめ研究室のみなさまに深く御礼申し上げます。今後も研究活動に精進していきたいと思います