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化学生命工学専攻 栗原 誠さんが第2回日本生物工学会東日本支部コロキウムにおいてポスター賞を受賞されました

 

化学生命工学専攻 M2 栗原 誠さんが、日本生物工学会東日本支部の主催する、第2回日本生物工学会東日本支部コロキウムにおいて、ポスター賞を受賞されました。


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<受賞された研究について>

私のテーマは酵素改良による新規相互作用検出系の性能向上です。私達のグループは、細胞内外で利用可能な新規相互作用検出系FlimPIA(firefly luminescent intermediate-based protein interaction assay)の構築を報告してきました。この検出系は、2種類のホタル発光酵素(Fluc)変異体を用いることで、特に試験管内で強い発光強度を示します。FlimPIAにおいては、反応中間体を介した分子間近接検出を原理として、迅速かつ高感度な多くの蛋白質間相互作用の検出が可能となります。 しかし、このFlimPIAにはこれまでバックグラウンド信号が高いという問題がありました。この問題を解決するため、今回私は主に2つの実験を行いました。第一に、変異体の一方(中間体アクセプタ)のN末ドメインとC末ドメインの間のヒンジ部に新たな変異を導入しました。第二に、反応機構の考察に基づいてCoA(コエンザイムA)の添加とATP濃度の低減を行い、反応条件を最適化しました。 結果として、FlimPIAの応答性に顕著な改善が見られ、標準条件での最大シグナル/バックグラウンド比が2.5倍から40倍へと改善されました。

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<今後の抱負・感想>

これらの発見から、本法を用いて様々なタンパク質や化合物を実用的に検出できる可能性が示され、これに基づく新規診断法の発展につながるものと期待しています。今回、2年間の修士課程の成果を過分に評価いただいたことは、今後社会人として生きていく上でも大きな励みとなります。懇切丁寧なご指導を頂いた東京工業大学 資源化学研究所 上田 宏 教授(前 化学生命工学専攻 准教授)をはじめとし、研究室の皆様に心から感謝いたします。