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2019.02.08

【若手研究者紹介:017】バイオエンジニアリング専攻 酒井・鄭研究室 酒井崇匡准教授

経歴
2005年4月-2007年3月    日本学術振興会特別研究員(DC2)
2007年4月-2009年3月    東京大学大学院工学系研究科マテリアル工学専攻
                                       ナノバイオインテグレーション拠点 特任助教
2009年4月-2010年12月  同大学大学院 バイオエンジニアリング専攻
                                       メディカルシステムイノベーション拠点 特任助教
2011年1月-2015年5月    同大学大学院 バイオエンジニアリング専攻 助教
2013年4月-現在             理化学研究所 客員研究員
2014年10月-2018年3月  科学技術振興機構 さきがけ研究員
2015年6月-現在             同大学大学院 バイオエンジニアリング専攻  准教授
2016年4月-2017年3月    東京工業大学 客員准教授
2016年10月-現在           東京大学 卓越研究員
2017年4月-2018年3月    九州大学 客員准教授
2018年4月-現在             京都大学 客員准教授 

 <研究について>
ハイドロゲルは、我々の生活に古くから深い関係を持つ物質・材料です。「ハイドロ」は「水」を意味し、「ゲル」はラテン語の凍らせたもの(固めたもの)に由来するために、ハイドロゲルは水を固めたものであると定義されています。すなわち、液体の水をそのまま固体にしたものがハイドロゲルであり、身近なものでは、ソフトコンタクトレンズや食用ゼリーなどが挙げられます。いずれも、その組成の多くの部分は水であり、ソフトコンタクトレンズではおおよそ50%、ゼリーでは95%以上にもなります。実は、我々人間の体もおおよそ3割の水分を含むハイドロゲルであるために、ハイドロゲルは医用材料として広く注目を集めています。その適応範囲は、再生医療用の足場材料や、薬物徐放担体、人工軟骨など幅広く、現在世界中で多くの研究がなされています。

私たちの研究室の大きな目的の一つは、ハイドロゲルという材料を物理学の観点から理解することです。そしてもう一つは、得られた知見を活用して、真に医療に役に立つハイドロゲルを創製することです。私たちの開発するハイドロゲルは、体内に直接注入が可能で、疾患を治療し、その後、体内で分解され、体外に排出されます。すなわち、ゲルを体内に注入するだけで、病態を改善することが可能であると期待されます。現在、眼科、整形外科、形成外科、血管外科、消化器内科の先生方と協同で、いくつかの疾患について、良好な結果を得ています。

 

 

<今後の抱負>
ハイドロゲルによる優しい医療を目指すべく、2018年にベンチャー企業を設立しました。これまで以上に学問に邁進するとともに、ハイドロゲルの社会実装にも力を入れていきたいと考えています。


酒井・鄭研究室 : http://www.tetrapod.t.u-tokyo.ac.jp/sakai-tei/
参照URL : http://gellycle.com