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山東 信介教授が 第14回 日本学士院学術奨励賞を受賞されました

 

2018年1月12日、化学生命工学専攻 山東 信介教授が、第14回(平成29年度)日本学士院学術奨励賞を受賞されました。

 

日本学士院学術奨励賞は、若手研究者を顕彰して今後の研究を奨励することを目的として、平成16年に創設されました。日本の学術賞としては最も権威ある賞の1つです。受賞者は、独立行政法人日本学術振興会の日本学術振興会賞(JSPS賞)受賞者の中から選ばれます。 

 

 

<受賞理由>
生体内分子の構造変化、化学反応、ダイナミズムなどの活動を非侵襲的に見ることができる核磁気共鳴(NMR)計測技術において、NMR分子プローブの感度の向上が最大の問題でした。核スピン偏極の物性理論に基づいて核スピンを強制的に偏極させる核偏極法は分子プローブの核検出感度を飛躍的に向上させることができ、次世代生体分子イメージング技術として期待されていますが、その偏極寿命時間が短いという欠点がありました。山東信介氏は核偏極状態を長時間維持するための理論的実験的考察から、それを実現する有意な分子プローブの設計指針を確立しました。そして従来は偏極維持時間が数秒から数分であったなかで1時間以上持続できる水溶性有機小分子構造を開発しました。また、設計した分子プローブを用い、動物個体内で起こる生体代謝反応をリアルタイム計測することに成功しました。こうして山東氏は世界をリードして動的生体分子科学発展の基礎を築きました。

 

http://www.japan-acad.go.jp/japanese/news/2018/011201.html#004