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原子力国際専攻垣谷健太さん(M2)がInternational Conference on Surface Modification of Materials by Ion Beams においてYoung Researcher Awardを受賞されました

 

International Conference on Surface Modification of Materials by Ion Beams (SMMIB-2017)はイオンビームによる材料表面改質に関する国際学会であり、隔年で開催されています。第20回に当たるSMMIB-2017はポルトガルのリスボンで5日間に渡って開催され、約200件のプレゼンテーションが行われ、その中でも特に優れた学生発表に対してYoung Researcher Awardが授与されました。

 

 

 

<受賞された研究・活動について>
タイトル:The Interface between Platinum Nanoparticle Catalysts and an Ar+-Irradiated Carbon Support

研究概要:これまでに、予めArイオンを照射した炭素担体上の白金ナノ粒子触媒が高い酸素還元反応(ORR)活性を示すことを見出している。この結果は担体に形成した照射欠陥が白金触媒に影響を及ぼしていることを示唆するが、その詳細は明らかになっていない。そこで本研究では、照射欠陥が白金ナノ粒子の形状、化学状態に及ぼす影響をそれぞれ透過型電子顕微鏡観察、X線吸収端近傍構造(XANES)測定により調べることで、高活性化をもたらす界面効果の解明を目指した。380 keV Arイオン照射のグラッシーカーボン基板にスパッタ蒸着により白金ナノ粒子を作製したところ、その平均粒径は5.1 nmで非照射の場合よりも1.3 nm大きかった。一方、Pt M3端およびL3端におけるXANESスペクトルでは、ピーク強度が非照射の場合に比べて低く、白金触媒の酸化抑制傾向が見出された。従って、照射による高活性化は、ナノ粒子の粒径変化では説明できないが、酸化抑制効果によるORR律速段階(酸素種の白金表面からの脱離)の促進と関連していることがわかった。

 

<今後の抱負・感想>
Young Researcher Awardを受賞することができ、光栄に存じます。今後もイオンビームによる材料表面改質を利用した研究に全力で取り組む所存であります。